「日本医師会・四病院団体協議会懇談会」が3月26日、日本医師会館で開催された。
本懇談会は、医療界が一致団結して医療を取り巻く難局に立ち向かうために定期的に開催し、さまざまな問題について協議を行い、迅速かつ有機的な連携により諸問題への解決を図っている。
当日の議題は、(1)令和6年度医療施設等経営強化緊急支援事業、(2)医師の働き方改革の現状、(3)地域に根ざした医師会活動プロジェクト―についてであり、日本医師会からは、松本吉郎会長を始め、茂松茂人・角田徹・釜萢敏各副会長、城守国斗・長島公之・江澤和彦・渡辺弘司・今村英仁・黒瀨巌・坂本泰三・濵口欣也・松岡かおり、藤原慶正各常任理事が出席した。
懇談会は、今村常任理事の司会で開会。冒頭、四病協を代表してあいさつした山崎學日本精神科病院協会長は、3月12日に行った「日本医師会、四病院団体協議会、日本慢性期医療協会、全国自治体病院協議会合同記者会見(以下、合同記者会見)」後の反響等に触れ、引き続き、病院団体として経営状況の安定化を目指していくとした。
続いてあいさつした松本会長は、合同記者会見の記事が多くのメディアで取り上げられたことを評価した上で、「あくまでも全体的な医療の底上げが大事になる。病院・診療所が共に一致団結していることが政界にも伝わらなくてはいけない」と述べ、今後の「骨太の方針2025」の策定に向けて一丸となって働き掛けていく必要があると強調。また更に、補助金の確保、期中改定、令和8年診療報酬改定を含めて戦っていく姿勢を示した。
議事に先立ちあいさつを行った釜萢副会長は、財務省が医療費抑制の手法として病院と診療所を分断・対立しようとする動きがあること等に対して、医療界が大同団結して対応する必要があると強調。「今後も医療界が分断されることなく、まとまって底上げを図らなければ国への影響力も弱まる」と指摘し、更に、勤務医の環境改善も協議しながら病院と診療所が一丸となることに理解と協力を求めた
(1)では、今村常任理事が令和6年度医療施設等経営強化緊急支援事業として、令和6年度補正予算の人口減少や医療機関の経営状況の急変に対応する緊急的な支援パッケージの概要や、これからでも申請可能な生産性向上・職場環境整備等支援事業申請書及び報告書の記載方法等を説明した。
また、同パッケージのうち「病床数適正化支援事業」に関して、各医療機関の事業計画の提出から支給までのスケジュールやQ&Aについても報告するとともに、令和6年度補正予算での対応ができない場合には、厚生労働省から財務省へ申し入れるよう日本医師会からも既に要望を行っているとして理解を求めた。
また、松本会長からは、今回の補正予算での支援が十分でない場合には、今後の予算で手当てしてもらえるよう、四病協と協同して国に申し入れを行う意向を示した。
(2)では、濵口常任理事が、1.医師の働き方改革と地域医療への影響に関する日本医師会調査結果(制度開始後調査)2.今後の評価センターの取り組み―について報告した。
1.に関して同常任理事は、調査施設が同一ではないと前置きした上で、「小児医療体制」「救急医療体制」など、制度開始直前より影響が大きく出ている項目があるとする一方で、「管理者の業務負担」など影響が小さくなっている項目もあるとして、引き続き注視する必要があるとした他、医師の派遣・受け入れ状況についても説明。今後も医療関係団体と協力し、働き方改革を進めていく必要性を強調した。
2.では、今後の事業計画やスケジュールを説明した上で、円滑な事業実施に向けた協力を求めた。
(3)では、渡辺常任理事からは本プロジェクトの趣旨とこれまでの開催内容が、黒瀨常任理事からは5月25日に開催する「第4回シンポジウム がん対策~予防、医療、共生~」の内容がそれぞれ紹介され、シンポジウムへの参加を呼び掛けた。
問い合わせ先
日本医師会地域医療課 TEL:03-3946-2121(代)