勤務医のひろば
2025年4月より臨床研修センター長に任命された。戸惑いもある中、学びや驚きも多い今をお伝えしたい。
当院の臨床研修センターは、本邦に初期臨床研修制度が開始された2004年4月に設立され、21年の歴史を持つ。
当院は富山県東端の病院ではあるものの、地域の中核病院であり、周産期・小児診療・がん診療・人工透析・ロボット支援手術・災害拠点医療も担っている。救急外来にも毎日昼夜問わず患者さんが来院され、年間約1万5000人に至る。
70名余りの常勤医と共に当院を支えてくれているのが、研修医の皆さんである。毎日の研修に加え、救急外来や日当直の診療を共に行い、研修医達は飛躍的にその臨床力を伸ばすとともに、当院の機動力の一翼を担ってくれている。
これはすなわち、熱心で真摯(しんし)な研修医達と共に日夜努力して初めて、当院の日常診療が成り立つ、という実情を示しており、各年度の研修医の人数が当院の大きな関心事の一つである。
今の研修医が何に魅力を感じ、どんなことに違和感を覚えるのか、生の声を聴きながら、実現できることや改善できることを検討・実行中である。
自身の妊娠・出産・育児を通して「男女共同参画」や「指導者の認識の変化」の重要性を痛感してきたものの、認識と状況が加速度的に変化する現代において「多様性」「働き方改革」「タイム&コストパフォーマンス」を意識することを心掛けつつ、研修医、そして勤務医の諸先生方や当院スタッフの皆さんの日々の業務に生かせるよう、暗中模索している。
その一方、研修医や医学生が、「人の役に立ちたいです」「日々向上する努力を続けたいです」と顔を輝かせて語る姿に、胸を熱くすることもしばしばである。