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令和8年(2026年)2月20日(金) / 日医ニュース

勤務医も経営を頑張る時代

勤務医のひろば

勤務医も経営を頑張る時代

勤務医も経営を頑張る時代

 40年近く、大学病院勤務医として主任教授、副院長を務めた。当時は病院経営に大きな危機感は無かった。
 2023年4月から現在の病院に勤務し、近年の病院経営が予想以上に厳しい現実に直面していることに驚いた。かつては、誠実に診療していれば経営が成り立っていた。今はその構造が崩れている。
 医療を取り巻く環境は急激に悪化している。当院では、診療収入は右肩上がりで推移しているが、物価高、人件費の上昇、設備更新費の増大などで支出は更に増え、医業収支が赤字に転落している。とりわけ400床以上の中・大規模病院で、多くが赤字経営に陥っているのが現実だ。診療報酬が医療提供に必要なコストを十分に反映しておらず、実態との乖離(かいり)が広がっていることに深い危機感を抱いている。
 「診療だけをしていればよい」時代は確実に終わった。勤務医自身が経営の視点を持ち、主体的に関わることが求められる。
 今後重要なのは、まず現場の負担やコスト構造を正しく評価する診療報酬体系への転換である。重症化対応、救急受け入れ、看護必要度の高い患者の医療、安全対策、多職種連携などが正当に評価される仕組みが必要だ。
 また、働き方改革に沿ったタスクシフト・タスクシェアは、経営改善と質向上の両立に寄与する。
 更に、地域連携や病床機能の見直し、医療DX活用などの改革も欠かせない。
 しかし、最終的に患者負担を最小限にしつつ医療を維持するには、医薬品、医療材料、委託費などの消費税をゼロにする、あるいは新聞や食料品と同様に軽減税率を導入することが最も現実的かつ効果的ではないか。診療報酬本体を10〜11%アップすべきとの声もあるが、それだけでは患者負担が大き過ぎる。教育と医療は国家の根幹を成す重要な領域である。2026年の診療報酬改定はいかに。

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