横倉義武会長は9月11日、日医会館を訪れた上川陽子法務大臣と法務官署(刑務所、少年院、入国者収容所等)の医官の現状について、意見交換を行った。
上川法務大臣は、法務官署の医官の危機的な状況に対する日医からのさまざまな支援に感謝の意を示した上で、8月27日に「矯正医官の兼業及び勤務時間の特例等に関する法律」が成立したことを報告。これにより、医師が働きやすい勤務環境の整備、兼業を通じた地域医療への貢献が可能になるとし、「これを機に、十分な矯正医官の確保と併せ、『地域医療に頼ってきた矯正医療』から『地域に貢献できる矯正医療』への転換を図っていきたいと考えており、日医の更なる協力をお願いしたい」と述べた。
これに対して、横倉会長は、「矯正医療の分野は死体検案などと並ぶ公益的な活動の一つとして、真剣に取り組むべき課題と認識している」と述べるとともに、「被収容者の健康を維持・向上させることは、出所後の円滑な社会復帰、ひいては再犯の防止にも重要な影響を及ぼす」として、引き続き、都道府県医師会に対して、積極的な働き掛けを行っていく意向を表明。現状の改善に向けて両者が協力していくことを確認した。