今村定臣常任理事は、日医が医療事故調査制度に伴う「院内調査費用保険」を創設したことを報告した。
この新たな保険は、日医が従来から運営する医師賠償責任保険の枠組みを使い、日医が自ら契約者となって、対象となるA(1)会員を被保険者とする契約を保険会社と結ぶ仕組みで、その保険料は日医の会費収入によって賄われる。
また、既に、本件を担当する保険会社においては、金融庁の認可も取得し、今後、運用に関して、日医と検討を重ねていく予定となっており、会費の一部を同保険に振り向けることを前提として、6月28日に開催の日医定例代議員会においても、会費賦課徴収を一部変更している。
同常任理事は、同保険の概要について解説。「医療事故調査制度」の下で、院内事故調査の実施にかかった費用を補填することが同保険の趣旨であり、保険の対象者は、日医A(1)会員のうち、全ての診療所と99床以下の病院の開設者及び管理者(ただし、開設形態の個人、法人は問わない)約77,800名、本保険のA(1)会員のカバー率は約94%で、補償の上限は年間500万円まで(平成27年10月1日から1年間、毎年更新)と説明した。
また、支払いの対象は、院内事故調査に関して、当該医療機関が外部に支払った費用(遺体の保管、搬送、Ai、解剖、院内調査の外部委員に対する謝金、交通費等)であるとした他、保険契約の形態は、日医が契約者となり、対象となるA(1)会員を被保険者とする契約を保険会社と締結する仕組みで、これは従来の医賠責保険と同様だとした。
更に、今後は、実際の保険の運用、実務面などについて保険会社と協議を進める一方、百床を超える比較的規模の大きな病院向けには、できるだけ低廉な価格で、別に保険を用意できるよう、保険会社に依頼をしていることも紹介した。
最後に、同常任理事は、今回の保険の創設は、確実な院内調査を実施するために、会員のみならず、広く患者・国民・遺族の利益にも資する大変重要な意味を持つ事業であると保険創設の意義を強調した。
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