日医役員が出席した主な外部審議会(9月28日~10月6日開催)の概要を紹介する。
―中医協―〔報告・中川・松原両副会長、松本(純)常任理事〕
中医協総会が9月28日に、薬価専門部会が10月5日に、厚生労働省でそれぞれ開催された。
9月28日の総会では、総会に先立ち行われた診療報酬改定結果検証部会からの報告に基づき議論が行われ、平成28年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査として、毎年調査の「後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査」に加えて、「夜間の看護要員配置における要件等の見直しの影響及び医療従事者の負担軽減にも資するチーム医療の実施状況調査」「かかりつけ医・かかりつけ歯科医に関する評価等の影響及び紹介状なしの大病院受診時の定額負担の導入の実施状況調査」「重症度や居住形態に応じた評価の影響調査等を含む在宅医療・訪問看護の実施状況調査」「精神疾患患者の地域移行・地域生活支援の推進や適切な向精神薬の使用の推進等を含む精神医療の実施状況調査」の5調査を若干の修正を加えた後、実施することが了承された。
また、「新たに向精神薬に指定される内服薬の投薬期間」に関しては、向精神薬2剤の投薬期間の上限を30日とすること、並びに次回の改定に資するために実施する「第21回医療経済実態調査」については、10月より調査実施小委員会を開催する等のスケジュール案が示され、了承された。
「最近の医療費の動向について」では、厚労省事務局より「平成27年度 医療費の動向」について報告が行われた。
中川俊男副会長は、厚労省事務局に対し、高額のC型肝炎治療薬の売上に対する認識について質問し、「ピークは既に過ぎた」との回答を得た。
また、後発医薬品の売上規模に対する使用促進のための調剤報酬の加算額の大きさに疑義を示すとともに、「医療費の伸びの大半は薬剤費であることから、中医協で議論すべきことが明らかになった」と指摘した。
10月5日の薬価専門部会の議題は、「高額な薬剤への対応について」であり、関係業界からの意見聴取やその後の審議を踏まえ、厚労省事務局より示された「今後の検討の方向性(案)」について議論が行われた。
松原謙二副会長は、議論の中で、「誰から見ても公正に見えるやり方をすべき」「オプジーボは他の癌腫にも効く薬であり、薬価が安くなれば多くの国民が恩恵を受ける」と指摘した。
一方、支払側委員からは、「企業の自主公表額の算定根拠を明確にし、公平性・透明性をどう担保するかが必要」「次回薬価改定のために実施される薬価調査の結果を踏まえ、何らかの調整を行うルールを今から決めておくべき」等の意見が出された。
中川副会長は、高額薬剤の薬価について、「オプジーボやその類薬のキイトルーダは、多くの癌腫で承認申請または治験中であり、これらが追加された場合、今回の緊急的な対応では持たないのではないか。薬価算定方式を抜本的に見直すことが国民に対する中医協の責務ではないか」と述べ、厚労省事務局のスピード感の欠如を批判。加えて、以前から指摘しているにもかかわらず、薬事・食品衛生審議会における議論の仕組みが見直されていないことに関しても疑義を示した。