日医では本年10月1日より、日本医師会女性医師バンク(以下「女性医師バンク」)事業の更なる充実・強化を目指して、就業支援体制の変更を行った。そこで今号では、担当の今村定臣常任理事に、その変更内容等について説明してもらった。 |
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「女性医師バンク」は、厚生労働省「女性医師支援センター事業」(旧:医師再就業支援事業)としての委託を受け、今後急増していくと予想される女性医師のライフステージに応じた就労を支援し、医師の確保を図ることを目的として、日医が平成19年1月30日より開始した職業紹介事業(厚生労働大臣許可 13-ユ-301810)です。
これまでの登録件数は、求人が1057件(延べ5176件)、求職が201名(延べ790名)、就業及び再研修決定482件(平成28年9月30日現在)と、順調な運営を続けてきました。
しかし、先般、総務省の行政評価が行われ、「女性医師バンク」について、「初期の目的を達していないのではないか」との指摘が厚労省に対してなされました。
これを受けて、日医でも民間業者の手法等を参考としながら検討を重ね、今回、体制の変更を実施いたしました。その内容は、9月23日に開催された女性医師支援センター事業運営委員会において承認を得た後、27日に開催された平成28年度第18回常任理事会において了承されたものです。
専任コーディネーターを新たに2名配置
今回の変更内容について説明いたします。
「女性医師バンク」では、これまで16名の現役の医師にコーディネーターをお願いしておりました。求職者より登録がありますと、その16名の中から選任した統括コーディネーターが、求職者の就業希望地域や診療科を踏まえて各コーディネーターに振り分け、求職者の相談や求人施設との連絡調整及び紹介を行うなど、就業成立に向けた対応を行ってきました。
これに対して、新体制では、登録のあった求職者の就業希望地域を踏まえて東西のセンターに振り分け、新たに配置した専任コーディネーターが求職者への就業あっせん、求人施設との連絡や調整、紹介を行い、就業成立への対応を行うことにしました(図参照)。
この専任コーディネーターは、日医の職員として、常勤1名、非常勤1名の合計2名体制でスタートしていますが、この2名は医師の資格を持っておりません。
そのため、求職者からの医療や医学に関する相談対応、専任コーディネーターへの指導、助言等を行ってもらえるよう、これまでコーディネーターを務めて頂いていた医師の中から地域のバランスなどを考慮し、数名の先生方に、アドバイザーに就任して頂くこととしました。
「女性医師バンク」の果たす役割は、組織強化という意味からも非常に重要なものであると考えており、本事業を継続していきたいと考えています。
今後も、少しでも先生方のお役に立てるよう、ご意見を伺いながら事業の運営を行って参りますので、更なるご支援・ご協力をお願いいたします。