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平成29年(2017年)7月20日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

代議員会を終えて日医の考えを改めて説明

 横倉義武会長は6月25日、記者会見を行い、同日に開催された第140回日本医師会定例代議員会において大きな論点となった「新たな専門医の仕組み」「医師の需給や働き方」「医の倫理」の3点に対する日医の考えを改めて示した。
 「新たな専門医の仕組み」については、偏在等の地域医療への影響が明らかになった場合は、都道府県協議会の議論を踏まえ、日本専門医機構においても、次年度にも調整・見直しなどの対応をとっていく方針であることを説明。
 また、医師の地域偏在等については、日本専門医機構との連携を更に強化しながら対応していくとともに、実効性のある具体策が実践されるよう引き続き主張していくとした。
 「医師の需給や働き方」については、「医師の絶対数は充足しつつあり、喫緊の課題は医師の偏在解消である」と改めて主張するとともに、その具体的な解消策としては、全国の地域医療支援センターの実効性の向上や、地域枠あるいは地元出身枠の拡充、医師需給の「見える化」が考えられると指摘。
 医師の働き方については、「医師には働き方の多様性、高い倫理性など、他の労働者とは異なる点が多くあり、他の職業と同列に扱うことが難しいという職業の特性を踏まえ、議論していく」との考えを示した。
 「医の倫理」に関しては、医学教育において、日医の「医の倫理綱領」や『医師の職業倫理指針』、更には「日本医師会綱領」を活用し、倫理と信頼という枠組みの中で構築される医師・患者関係の重要性を認識し、医師としての自覚を涵養(かんよう)していくことが重要になると強調。加えて、「大学医師会が都道府県医師会と共催で、医学生及び臨床研修医向けの倫理教育のための会を開催することも必要なのではないか」と述べた。
 また、横倉会長は、日本医学会の新会長に門田守人堺市立病院機構理事長が選出されたことにも言及。日医と日本医学会は車の両輪の関係にあることを強調するとともに、引き続き、髙久史麿前日本医学会長の時と同様の協力関係を築き、新たな専門医の仕組みを始め、さまざまな医療に関する取り組みを推進し、日本の医学・医療を牽引(けんいん)していく考えを示した。

中医協委員に今村副会長、松本(吉)常任理事

 その他、当日の会見では中医協委員について、「平成30年度は診療報酬と介護報酬の同時改定が予定されているが、中医協において例年以上に早めに改定の議論が進んでいることから、任期満了前ではあるが7月5日開催の中医協をもって、中川俊男・松原謙二両副会長が交代することになった」との報告が行われた。
 また、後任については、熟慮を重ねた結果、今村聡副会長と松本吉郎常任理事の2人を厚生労働省に推薦することを決定したとするとともに、「財政状況が厳しい中で、今後は支払側との激しい議論になることが予想されるが、新任の2人には、現場感覚に基づいた発言をしてもらえるよう期待している」と述べた。
 会見には、今村副会長、松本(吉)常任理事も同席。今村副会長は、「日医の役員を11年務めているが、直接的に診療報酬の改定に携わったことはなかった。今回の改定は大きな意味をもっており、日医全体の協力を得ながら、議論に臨んでいきたい」とした。
 一方、松本(吉)常任理事は、「大役を担うことになり、責任の重さを感じている」とした上で、「国民に過不足のない医療が提供できる診療報酬となるよう、皆さんのご指導を得ながら、努めていきたい」と述べた。
 なお、中医協委員の交代により日医役員の職務分担は一部変更となり、中川副会長が税制も担当することになった。

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