定例記者会見 8月22日
長島公之常任理事は、医薬品の原薬を含めた追跡性確保等に対する日医の見解を述べた。
同常任理事はまず、7月にジェネリック医薬品に本来含有されるはずのない発がん性物質が混入したとの報道があったことに触れ、「厚生労働省によれば、原因究明はまだなされていない。当該原薬を製造した工場は今でも存在しており、そこで仮に原薬の不適切な製造工程が続いているとすれば、日本だけでなく世界中の患者が危険にさらされていることになる」と懸念を示した。
また、当該医薬品については、回収状況は報告されているものの、どの程度調剤されているかは判明していないことを問題視。
「患者の安全のためには原薬も含めたトレーサビリティの確保が重要。日医はこれまでも原薬や添加剤、医薬品としての製剤の生産国について情報開示を強く要望してきたが、医師や薬剤師が使用する前に把握し、医薬品選択の参考にできるように、企業が情報提供を行うことが必要ではないか」と述べた。
更に、行政は企業が行っている品質管理を適時適切に監督する義務があり、これが正しく実施されることによって患者が使用する医薬品等の品質が担保されるとの見方を示した。
最後に同常任理事は、「ジェネリック医薬品については、品質・有効性・安全性が先発医薬品と同等であるという説明を受け、日医は国の使用促進政策に協力してきた。しかし、今回のように品質や患者の安全が担保されない状況においては、安心して医療が行えない」と強調するとともに、中川俊男副会長が出席している厚労省の「医薬品医療機器等制度部会」において、引き続き患者の安全を守る視点で、原薬から製剤まで医薬品を製造・流通に関係する企業の責任についても厳しく議論を行っていく方針であることを説明した。
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