横倉義武会長は10月2日、その前日に本庶佑京都大学高等研究院副院長/特別教授のノーベル医学生理学賞の受賞が決まったことを受けて、コメントを公表し祝意を表した。
なお、本庶特別教授は今年、日本医師会最高優功賞も受賞しており、11月1日に日本医師会大講堂で開催される第71回日本医師会設立記念式典並びに医学大会において、特別講演を行う予定となっている。
以下はコメントの全文である。
本庶佑京都大学高等研究院副院長/特別教授が10月1日、2018年のノーベル医学・生理学賞を受賞されることが、スウェーデンのカロリンスカ研究所より発表されました。日本人の同賞の受賞は2年ぶりのことであり、5人目の快挙となります。
本庶先生は平成28年10月にはご多忙の中、会内に設置した「医師の団体の在り方検討委員会」の委員長にご就任いただき、強いリーダーシップの下で、翌年3月には4つの提言を盛り込んだ報告書を取りまとめていただきました。
また、日本医師会が医学・医療の発展に貢献してきた方にお贈りする最高優功賞を今年、受賞されることも決定しており、11月1日に行われる「日本医師会設立71周年記念式典並びに医学大会」では、「驚異の免疫力」と題して、特別講演をしていただく予定となっております。
日本医師会の会員でもある先生が、今回、ノーベル医学・生理学賞を受賞されたことは、日本医師会としても誇らしく、大変喜ばしいことであり、これまでの先生のご尽力とその成果を改めて大いに称えたいと思います。
本庶先生の研究成果を基に開発された、がん免疫治療薬「PD-1阻害剤オプジーボ」は、さまざまながんの治療に効果があることが分かり、今では他に治療の手立てのなかった世界中の患者さんの命を救っていますが、このことは、まさに、基礎医学における地道な研究が臨床につながった好事例と言えます。
わが国では、基礎医学の分野で成果を出すまでに時間がかかるだけでなく、政府の補助金の削減などもあり、基礎医学を志す人達が少なくなっていると言われており、日本医師会としても、その現状を危惧しております。
基礎医学は臨床を支える重要な学問であり、日本医師会といたしましても、基礎医学に携わる方々が立派な研究成果を生み出せるよう、引き続きその環境整備に努めて参りたいと考えております。
また、より多くの人々を救うためにも、本庶先生には引き続き、日本の基礎医学研究の先頭に立って研究を続けていただき、後進の指導に当たっていただきたいと思います。
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