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平成31年(2019年)3月20日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

インフルエンザの診断に正しい理解を求める

日医定例記者会見 2月20・27日

 釜萢敏常任理事は、医療機関におけるインフルエンザの診断に対する対応について改めて説明を行うとともに、国民に正しい理解を求めた。
 同常任理事はまず、インフルエンザの診断は、(1)症状として急激な発熱、倦怠感、全身の痛み等の把握、(2)周辺地域の流行状況、(3)罹患(りかん)者との接触―などの総合的な状況を踏まえて医師が診断を行うものであると指摘。インフルエンザの診断において、「迅速抗原検出キット」を用いた検査が普及しているが、全例で検査を実施するものではなく、あくまで補助的な検査であり、この検査のみでインフルエンザと診断するものではないとして、理解を求めた。
 また、発熱後すぐに受診してもウイルスは検出されない可能性があり、何時間後に検出されるかということも一概には言えず、流行時には隠れインフルエンザと言われる症状もあることを説明。インフルエンザは医師の診断に基づくものであることを改めて強調するとともに、「抗インフルエンザ薬の処方においても医師の判断の下、患者の同意を得て治療に当たることが重要である」と述べた。
 一方、インフルエンザは、他の人にうつしてしまう可能性のある期間は学校等の出席を停止する必要があるため、学校保健安全法では、出席を停止させることができる感染症にインフルエンザが定められ、出席停止の期間の基準「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」が示されており、インフルエンザ罹患証明書(診断書)や治癒証明書の作成については、現場の医師が求めに応じて自身の医学的判断に基づき対応している現状を紹介。
 「職場においても、学校保健安全法の基準を参考に感染拡大の防止に努めることが必要である」とする一方、学校や会社から「治癒証明書」の提出を求められるために患者が学校や会社と医療機関の板挟みにあって困惑する状況があることに触れ、「厚生労働省作成の今年度のインフルエンザQ&Aにも『インフル治癒証明書』は望ましくないとされており、患者及び医療現場の負担が増えることを踏まえて対応して欲しい」として協力を求めた。

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