閉じる

平成31年(2019年)3月20日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

風しんの追加的対策への協力を求める

日医定例記者会見 2月20・27日

 釜萢敏常任理事は流行が続く風しんに関する追加的対策について、国や日医の動きを説明した。
 同常任理事は、直近の状況として、これまで風しんの予防接種を受ける公的な機会がなかったため、抗体保有率が低い39歳から56歳の男性に対し、厚労省が今後3年間、抗体検査と第5期の定期接種の実施を決めたことを説明。「日本への渡航自粛を勧告する国も出ているなど早急な対策が必要な事態であり、医師会としても万全の対策を取って、抗体検査と予防接種を実施できるようにしなければならない」と述べるとともに、今回の対象者以外の抗体価の低い方への対応も引き続き検討していくとした。
 その上で、実施に際しての問題点として、対象となる世代が抗体検査に加えて予防接種を受ける時間を確保するのが難しいことを挙げ、自治体と連携することにより、可能な範囲で時間外や夜間でも受けられる体制の構築を医療機関に要請していくとして、協力を求めた。
 また、今回の実施は従来の予防接種や特定健診と異なり、全国どこでも受けられる形式であり、日医と全国知事会による集合契約という手続きが必要となること及び抗体検査や予防接種(抗体価が低い方のみ)が無料となるクーポンの発行や事業所の健康診断等の機会を利用して受診率の向上を図る予定であることを紹介した。
 更に、全国へのMRワクチンの供給状況についても言及。定期接種分の確保を前提とした上で、それ以外に昨年報告数の多かった7都府県(東京、千葉、神奈川、埼玉、愛知、大阪、福岡)については、追加分として定期接種分の80%、その他の地域には同20%に当たる量のワクチンを配布することになっているとした。

ワクチン不足の情報収集システムを構築

 同常任理事は最後に、今般の第5期の定期接種の推進に向けた日医の新たな取り組みとして、全国のどの地域でワクチンが不足しているかを把握するシステムを構築していく方針を示し、その準備を進めていることを明らかとした。

風しんの追加的対策の概要
  1. 実施主体:市区町村
  2. 実施期間:平成31年4月より3年間(予定)
  3. 対象者:昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性(全国)
  4. 実施内容(準備が整った自治体から以下の対策を順次開始):
    (1)抗体検査の実施(対象者の自己負担なし)
    ①市区町村より対象者に個別にクーポン券を送付し、抗体検査の受診勧奨を行う。
    ②医療機関窓口等において上記クーポン券を提示した者に対し、抗体検査を実施する。
    ③①②の実施に当たっては、特定健診や事業所健診の機会を活用できるようにするなど、抗体検査の実施体制を整備する。
    ※③の実現のため、全国の市区町村と全国の医療機関・健診機関との間で契約を締結する。これらの契約を円滑に実現するため、日本医師会と全国知事会が契約代理人となり集合契約を締結する。
    (2)定期接種の実施(対象者の自己負担を含め接種単価は市区町村毎に設定)
    ①市区町村より対象者に個別にクーポン券を送付し、定期接種を受けるよう周知を行う。
    ②抗体検査の結果、十分な量の風しんの抗体がない者が接種を希望し、クーポン券を持参した場合に、MRワクチンの予防接種を実施する。
    (3)夜間・休日の抗体検査・予防接種についても、可能な限り対応する。
  5. 費用:
    本対策における風しんの抗体検査については全国統一価格とし、風しんの第5期の定期接種については予防接種法に準じて各市区町村が定める額とする。

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる