日医定例記者会見 2月20・27日
釜萢敏常任理事は流行が続く風しんに関する追加的対策について、国や日医の動きを説明した。
同常任理事は、直近の状況として、これまで風しんの予防接種を受ける公的な機会がなかったため、抗体保有率が低い39歳から56歳の男性に対し、厚労省が今後3年間、抗体検査と第5期の定期接種の実施を決めたことを説明。「日本への渡航自粛を勧告する国も出ているなど早急な対策が必要な事態であり、医師会としても万全の対策を取って、抗体検査と予防接種を実施できるようにしなければならない」と述べるとともに、今回の対象者以外の抗体価の低い方への対応も引き続き検討していくとした。
その上で、実施に際しての問題点として、対象となる世代が抗体検査に加えて予防接種を受ける時間を確保するのが難しいことを挙げ、自治体と連携することにより、可能な範囲で時間外や夜間でも受けられる体制の構築を医療機関に要請していくとして、協力を求めた。
また、今回の実施は従来の予防接種や特定健診と異なり、全国どこでも受けられる形式であり、日医と全国知事会による集合契約という手続きが必要となること及び抗体検査や予防接種(抗体価が低い方のみ)が無料となるクーポンの発行や事業所の健康診断等の機会を利用して受診率の向上を図る予定であることを紹介した。
更に、全国へのMRワクチンの供給状況についても言及。定期接種分の確保を前提とした上で、それ以外に昨年報告数の多かった7都府県(東京、千葉、神奈川、埼玉、愛知、大阪、福岡)については、追加分として定期接種分の80%、その他の地域には同20%に当たる量のワクチンを配布することになっているとした。
ワクチン不足の情報収集システムを構築
同常任理事は最後に、今般の第5期の定期接種の推進に向けた日医の新たな取り組みとして、全国のどの地域でワクチンが不足しているかを把握するシステムを構築していく方針を示し、その準備を進めていることを明らかとした。
風しんの追加的対策の概要
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