日医定例記者会見 3月27日
松本吉郎常任理事は、外国人医療に関する日医の取り組みを中心に報告し、その考え方を説明した。
同常任理事は初めに、外国人医療に関するこれまでの日医の取り組みとして、(1)昨年7月4日に「第1回外国人医療対策会議」を開催、(2)訪日外国人旅行者、在留外国人に対する適切な医療提供を総合的に検討することを目的として、会内に「外国人医療対策委員会」を設置、(3)今後、医療通訳の果たす役割が更に大きくなることから、関連団体がもつ情報を総合的・横断的に共有することを目的として、本年1月22日に「日本医師会医療通訳団体等連絡協議会」を開催―したことなどを報告。
また、(2)については、国や保険会社等を招いて本年度は3回開催し、情報を収集した他、①共通(訪日・在留外国人)②訪日外国人③在留外国人―の三つの課題に分けて検討。①では、「日本の医療提供体制の周知」「ワンストップ窓口」「人材育成(医療通訳者等)」「感染症対策」「地域における外国人医療対策協議会の設置」の5項目、②では、「旅行保険の加入勧奨」「円滑な支払いの支援」「未収金」「訴訟リスク」の4項目、③では、「健康保険の加入勧奨」「保険の適用」「問診票の様式統一」「通称名と本名の問題」の4項目について、それぞれ活発な議論を行っているとした上で、その結果を中間答申として、2019年度の早い時期を目途に公表する予定であるとした。
その上で、同常任理事は、「外国人を受け入れる医療機関の整備」については、拠点病院の整備が重要であるが、ある日突然、外国人患者が医療機関を訪れることも前提として、診療所等の受入体制の整備に対する支援も必要だと指摘。また、『医療機関向けマニュアル』は、拠点医療機関以外でも対応できるような内容とすること、「外国人に対する費用請求」に関しては、特に医療通訳について保険診療・自由診療を問わず請求できることの周知が重要になるとした。
加えて、「医療コーディネーター」については全ての医療機関への配備が難しいことから代替する仕組みが、「キャッシュレス対応」については一般診療所等も整備できるような支援が、「ワンストップ窓口」に関しては″相談"だけでなく、一定の″代行"もできるようにすることが、それぞれ必要になるとの考えを示した。
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