日医定例記者会見 3月27日
横倉会長は3月20日に開催された第25回未来投資会議において提言された、予防への支援強化に対する日医の見解を公表した。
横倉会長は、まず、未来投資会議で安倍晋三内閣総理大臣が、「これまで公的保険は病気になった方に対する治療費、要介護になった方への介護サービス費を中心に支出を行ってきた。他方、人生100年時代を迎えて疾病・介護予防の役割が増加しており、健康寿命の延伸、個人のQOLの向上、高齢者の活躍促進といった多面的な意義がある。本年は全世代型社会保障元年である」と述べ、関係閣僚にその実現を指示したことに言及。「これらのことは未来投資会議の下に設置されている産官協議会に日医の役員が常時オブザーバーとして出席し、主張してきたことである」とするとともに、その結果、本会議に提出された資料にも、「予防・健康づくりの方向性案」として、(1)予防・健康づくりには多面的な意義が存在(①個人の健康を改善することで、個人のQOLを向上し、将来不安を解消する②健康寿命を延ばし、健康に働く方を増やすことで、社会保障の「担い手」を増やす③高齢者が重要な地域社会の基盤を支え、健康格差の拡大を防止する)、(2)これらに加え、生活習慣の改善・早期予防や介護・認知症の予防を通じて、生活習慣病関連の医療需要や伸びゆく介護需要の適正化が図られれば、社会保障制度の持続可能性にもつながり得るという側面もある―等の表現が盛り込まれたと説明した。
その上で、横倉会長は、「かかりつけ医が予防・健康づくりに積極的に関わることが必要だ」と強調。人生100年時代に向けた具体的な取り組みとして、宮城県等6県で立ち上げられている地域版日本健康会議を他の都道府県にも広げていくための活動や、予防・健康部門に一体的に取り組む部署を会内に設置して推進していること等を紹介。「今後も日医として、健診等データの一元化による生涯を通じた健康管理や日本健康会議の取り組みなどを通じて、健康寿命の延伸ができるよう、予防・健康づくりを引き続き進めていきたい」と述べた。
また、「本会議で行われた議論の結果は、6月に閣議決定される予定の『未来投資戦略2019』に反映される予定と聞いている。2020年度の予算編成について各種報道がなされているが、国民の健康寿命を延伸するため、引き続きしっかりと財源が確保されるよう要望していく」との考えを示すとともに、その実現に向けた理解と支援を求めた。
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