日医定例記者会見 4月3・10日
城守国斗常任理事は、4月2日に薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会で再審議が行われ、生活習慣病治療薬「エパデールT」が、インターネットによる販売が可能となる一般用医薬品へ移行することが認められたことに対する日医の見解を説明した。
同常任理事は、まず、「今回の決定は日医として納得のいくものではない」とするとともに、「長期間の服用と全身管理が必要となる可能性のある生活習慣病こそ、かかりつけ医の診断と治療が不可欠であり、その治療薬はスイッチOTC化になじむものではない」と指摘。
その上で、医薬品等安全対策部会(3月22日開催)及び安全対策調査会において自身が主張した(1)本医薬品はスイッチOTC化される際に、適切ではないという意見がある中で、強引に承認された経緯がある、(2)「セルフチェックシート」を必ず用いることを販売要件としているが、その確認ができていない、(3)生活習慣病は管理が困難であり、まずは運動や食事を改善する必要があるのに対し、薬局で容易に薬が買えることになれば、患者がこれさえ飲んでいれば大丈夫と勘違いする危険性がある――ことの3点について、改めて説明した。
加えて、調査会での議論の結果、一般用医薬品への移行に当たって、「セルフチェックシート」の取り扱いや適切な血液検査の実施について、今まで以上の要件や添付文書の記載を行うことが必要となるとともに、「今回の事案については、生活習慣病薬のスイッチ化に関する前例とはしない」とされたことにも言及。「『エパデールT』承認時のさまざまな問題を踏まえると、今回の決定はあくまでも例外であり、今後、生活習慣病薬は一般用医薬品としては認められない」とされたものと理解しているとした。
また、今後については、要指導医薬品から一般用医薬品への移行が、一定期間経過後に自動的に行われている現行制度の見直しを国に対して強く求めていくとするとともに、国民に自身の生活習慣を整えることの大切さを広く啓発し、適時適切に受診できるように環境整備に努めていく考えを示した。
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