閉じる

令和元年(2019年)7月20日(土) / 日医ニュース

横倉会長 「医療は社会的共通資本」という認識の下に給付と負担の議論を

横倉会長 「医療は社会的共通資本」という認識の下に給付と負担の議論を

横倉会長 「医療は社会的共通資本」という認識の下に給付と負担の議論を

 第145回日本医師会定例代議員会が6月23日、364名の代議員(定数368名)出席の下、日医会館大講堂で開催された。
  当日は、上程された「第1号議案 平成30年度日本医師会決算の件」「第2号議案 令和2年度日本医師会会費賦課徴収の件」が賛成多数で可決決定された他、各ブロックを代表した代議員から提出された質問に対して、日医執行部より回答を行った(別記事参照)

会長あいさつ

 冒頭あいさつに立った横倉義武会長は、「いかに明るい健康社会をつくり上げていくかが令和の時代における医療の大命題であり、切れ目のない全世代型の社会保障を推進していくことが、日医の次なる大きな使命になる」と強調。
 また、ICTやAI、再生医療、ゲノム医療など、医学分野の技術革新により、従来にはなかった倫理的問題も起こり得るとし、「医療界が自らの責任において、医学を社会に適用するための秩序を維持していくことが、今後はより重要になる。門田守人日本医学会長とも連携を密にしながら、生命倫理懇談会等の会内委員会を中心に、引き続き先頭に立って医の倫理の高揚に努めていく」とした。
 全世代型の社会保障制度に関しては、「持続可能性を高めていくためにも、納得の得られる給付と負担を国民的合意として導き出すための議論の場を用意し、そこでの議論を通じて必要な財源を確保していかなければならない」とするとともに、その際には医療者、政治家、官僚を始め多くの国民が「医療は社会的共通資本である」という認識を共有することが重要になるとの考えを示した。
 現在議論が重ねられている地域医療構想や医師を中心とした医療従事者の働き方改革、医師偏在対策については、「着実に推進していかなければならない」とするとともに、都道府県医師会に対しては、地域医療構想調整会議や地域医療対策協議会等での議論をリードし、住民本位の医療・介護の提供体制をしっかりと構築していくことを求めた。

新たな時代に即した医療を国民と共につくり上げる

 その他、横倉会長は、あるべき医療とその実現に向けたアイデアを生み、推進していくポテンシャルを引き出していくためにも、医師会自体の有り様を絶えず検証し、議論を深めていく必要があるとの考えの下に、会内に「医師の団体の在り方検討委員会」を再度立ち上げることを改めて報告。委員会での議論を踏まえ、「医師が医学を基盤に患者・国民の生命、健康、幸福を守るプロフェッションであること」「医師会が患者・国民に必要な医療政策を提言・実行するための団体であること」を広く理解してもらう中で、新たな時代に則した医療を、国民と共につくり上げていくとして、理解と協力を求めた。
 引き続き、6月18日に開催された日本医学会臨時評議員会・一般社団法人日本医学会連合定時総会において再選を果たした門田日本医学会長が登壇。今後も、日医と車の両輪となって医療を取り巻く難題の解決に向けて取り組んでいく考えを示した。

2議案を賛成多数で可決

 続いて、平成30年度にご逝去された会員の先生方に黙とうを捧げた後、中川俊男副会長が平成30年度日医事業報告の概要を説明するとともに、会員の先生方の日頃の会務運営に対する協力に対して謝意を述べた。
 議事ではまず、「第1号議案 平成30年度日本医師会決算の件」について、今村聡副会長が決算報告書に基づいてその概略を説明。また、橋本省財務委員会委員長からは、5月10日に開催された同委員会における本件に関する審査の経過及び結果の報告が行われた。表決に移り、第1号議案は賛成多数で可決決定されることになった。
 引き続き、「第2号議案 令和2年度日本医師会会費賦課徴収の件」が上程され、今村副会長が会費賦課額、徴収方法等、令和元年度と同様であること等を説明。表決に移り、賛成多数で可決決定された。
 その後の各ブロックからの代表質問に対する日医執行部より行った回答の概要は、以下のとおりである。

「医師の偏在対策」など多岐にわたる質問に執行部から回答

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる