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令和元年(2019年)8月20日(火) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

外来医療計画について

日医定例記者会見 7月24日

 釜萢敏常任理事は、「外来医療に係る医療提供体制の確保に関するガイドライン(平成31年3月)」における外来医療計画について、その趣旨を説明するとともに、開業を制限するものではないことを改めて強調した。
 今回の会見は、7月18日に開催された厚生労働省の社会保障審議会医療部会の冒頭、鈴木健彦同省医政局地域医療計画課長より、「今回の外来医療計画の仕組みは、医師の開業を強制力を持って制限するものでは全くない」旨の発言がなされたことを踏まえて行われたものである。
 同常任理事は、まず本ガイドラインの内容に関して、各方面から開業規制ではないのかという不安の声が挙がっていたことから、厚労省に対して、「医療従事者の需給に関する検討会」や「医師需給分科会」において誤解を招くようなメッセージが出ることで、医療現場を混乱させる恐れがあるため、外来医療計画に関する都道府県行政や報道関係各所への説明等に当たっては、十分に注意を払うよう求めてきたことを説明した。
 その上で、2008年以降、医学部定員を増やすことで医師の総数は増えているものの、地域偏在や診療科偏在は解消していないことを指摘。診療所でも、新規開業が更に都市部に集中している現状については、「限りある医療資源の有効活用とは言えない」との考えを示す一方、開業を考える医師は、地域の医療資源や医療需要も分からない状況の中で、医療コンサルタント、医療モール、調剤薬局等からの情報に誘導されて開業してしまい、経営が成り立たず短期間で閉院せざるを得ないケースもあることを報告した。
 今回の外来医療計画の趣旨については、「地域の医療需要や医療資源を"見える化"して情報提供を行うことで、新たに開業を検討する医師に自主的な判断を促すことにある」と改めて説明するとともに、「外来医師多数区域」で開業する場合については、「在宅医療、初期救急(夜間・休日の診療)、公衆衛生(学校医、産業医、予防接種等)など、地域に必要とされる医療機能を担って頂くという枠組みであり、決して国の管理でも開業規制でもない」と強調。開業規制といった誤解により現場が混乱することのないよう、マスコミに対してもその払拭への理解と協力を求めた。

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