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令和2年(2020年)4月20日(月) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

第Ⅱ次医師の団体の在り方検討委員会報告書まとまる

日医定例記者会見 3月18・25日・4月1日

 今村聡副会長は、今期2期目となる「医師の団体の在り方検討委員会」(委員長:本庶佑京都大学特別教授)の第Ⅱ次報告書が取りまとめられたとして、その概要を報告した。
 まず、今村副会長は、同委員会について、委員長を務めてもらった本庶氏と横倉義武会長との会談の中で示された、「医療を取り巻く課題は、医師が現場の声をエビデンスにしながら、その解決に向けた議論をリードしていくことが必要」との共通認識の下、平成28年3月に設置し、翌年3月には「国民の医療に対する期待に応えていくためにも、行政から独立した医師全員が加盟する団体が必要」との提言を取りまとめたことを改めて説明。その後、医師の偏在対策や医師の働き方改革、専門医制度や地域医療構想などの議論がなされる中で、地域医療体制に責任を持ち、国民医療の推進に尽くす医師の団体の在り方の検討を更に一歩進めていくことは、正に時宜に適うものとの考えの下に、本委員会が立ち上げられ、今般、報告書が取りまとめられたとその経緯を説明した。
 その内容は、「Ⅰ.はじめに」「Ⅱ.提言」「Ⅲ.結びに」で構成されている。
 Ⅰ.では、前期委員会報告書の「行政から独立した、医師全員が加盟する団体が必要」との提言部分に着目し、当該団体の在り方や実現に向けた方策について議論を行ったことを概説。
 Ⅱ.は、「1.医師の理念と医師全員が加盟する団体の意義」「2.医師全員が加盟する団体の在り方」「3.全員加盟たる医師会組織の実現に向けたステップ」の三つの項目からなっている。
 1.では、医学・医療をもって病に苦しむ人達に寄り添う人間たる医師が、医学・医療の恩恵を広く患者・国民に還元するには、個々での取り組みにも増して医師が力を結集し取り組む方が効果は大きく、これこそが医師全員が加盟する団体の意義であるとしている。
 2.では、当該団体は任意加入での全員加盟を目指すべきとした上で、医師会組織を活用して当該団体の役割を担わせる方が、医師や国民にとっても分かりやすく現実的であるとしている他、そのために必要な組織改編に取り組むとともに、行政から独立し、自らが定める職業規範を遵守するなど、その運営の在り方についても触れている。
 3.では、医師の理念・医師会組織の意義に対する理解の醸成、医師会組織の発展的改編、国民の医療・医師会に対する理解と信頼の深化の三つのステップを踏むことで、その実現を図るべきと指摘。また、具体的な組織の在り方については、医師を構成主体とする団体間でのさまざまな既存の議論の場を整理・再構築して設ける「新たな議論の場」の中で協議を行う必要があるとするとともに、日医は内部で先行した検討をもつことで、その議論を牽引していくことを求めている。
 Ⅲ.では、当該医師会組織を実現することができれば、医師の総意として、国民にとって適切な医療や医療提供体制を示すことが可能となり、医学の健全な発展も望めるとした上で、医学とその社会的適用である医療を担う医師が改めて医業の尊厳と責任を自覚する中で、日医が全員加盟たる医師会組織の実現に向けた行動を起こしていくことに期待感を示している。
 今後について、同副会長は、「本報告書の提言を踏まえ、日医として全員加盟たる医師会組織の実現に向け、その具体的な方策について引き続き検討を進めていく」との考えを述べた。

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