横倉義武会長は4月3日、首相官邸で安倍晋三内閣総理大臣と会談し、日医の平成30年間の歩みをまとめた記念誌『日本医師会 平成三十年の歩み』を贈呈するとともに、新型コロナウイルス感染症への対応について意見交換を行った。
会談では、冒頭、横倉会長が安倍総理に同記念誌を手渡し、祝辞を寄せてもらったことに謝意を示した上で、①4月1日の定例記者会見で「医療危機的状況宣言」を行ったことやその背景②会談の直前に、衆議院議員会館で開催された「超党派『医師国会議員の会』」には与野党から多くの議員の参加があったこと―等を説明。既に医療提供体制は危機的状況にあり、特に東京や大阪では顕著であることを強調した。
今後の具体的な医療提供体制については、各市区町村における新型コロナウイルス感染症に関する相談に対応できるような体制づくりや、重症者を治療するための病床を確保するため、無症状・軽症者用の施設等の確保の必要があると指摘。安倍総理も同様の認識を示し、準備を進めているとした。
横倉会長はまた、地域の実情に応じて、新型コロナウイルス感染症への対応を行う医療機関と、その他の疾病の治療(日常診療)を行う医療機関に分けることも医療現場等の混乱を避けるために有効な手段であるとした。
電話や情報通信機器を用いた診療についても意見交換を行い、その有効性や問題点について日医の考えを説明し、医療従事者の感染を避けることが重要であるという点で両者の考えが一致した。
その他、当日は、現在急ピッチで研究や治験が進められている治療薬やワクチン等についても話題となり、横倉会長が、有効性が確認されたものについて、副作用を十分に考慮した上で、柔軟な使用が可能となるよう対応を要請。これに対して、安倍総理も前向きな姿勢を示した。
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