釜萢敏常任理事は4月28日の臨時記者会見で、緊急事態宣言の一斉解除に否定的な見方を示すとともに、大型連休を前に、国民に対して改めて移動の自粛を訴えた。
同常任理事は緊急事態宣言について、「4月7日の発令から3週間が経ったが、当初狙っていたほどの感染者減少にはまだ至っていない」として、同宣言の期限である5月6日以降も宣言の一斉解除は難しく、各都道府県の感染状況に応じて特定警戒都道府県等の指定の見直しに留まるのではないかとの見方を示した。
また、専門家会議のメンバーでもある立場から、「期限ギリギリまでデータをしっかり検証して、評価をするという方針は変わらない。最終的には政府が判断するが、専門家会議として提言するための作業をこの数日、しっかりとやらなければいけない」と強調。新規の感染者数や医療提供体制の状況などの指標から総合的に判断するとし、「東京など大都市の問題がクローズアップされるが、もともと医療資源の乏しい地域においては更に深刻な場合もあり、状況をしっかり見極めながら対応を考えていかなければならない」と述べ、院内感染の発生が引き起こす地域医療へのダメージの大きさにも言及した。
日本が爆発的な感染拡大に至らなかった点については、国民の理解と協力の賜物であるとする一方、大型連休を前に、人の移動に伴う地方への感染の拡大を懸念。「人と人との接触を避けることが、この病気の感染者を増やさないための一番大事な要素である」として、引き続きの外出自粛を要請した。
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