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令和2年(2020年)7月5日(日) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

「医療AIプラットフォーム」構想を発表

 内閣府、日医、医薬基盤・健康・栄養研究所による、内閣府SIP「AIホスピタルによる高度診断・治療システム」の社会実装プロジェクト開始に関する共同記者会見が6月10日に日医会館小講堂で行われ、横倉義武会長、今村聡副会長、松尾泰樹内閣府政策統括官、中村祐輔プログラムディレクター及びプロジェクト参画機関5社〔日本ユニシス(株)、(株)日立製作所、日本アイ・ビー・エム(株)、ソフトバンク(株)、三井物産(株)〕が出席した。
 内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(以後、SIP)は、日本の科学技術イノベーション実現のために創設された国家プロジェクトであり、現在、内閣府の諮問機関である総合科学技術イノベーション会議において、省庁の枠を超えて基礎技術から実用化・事業化までを見据えた取り組みが推進されている。
 今回の共同記者会見では、SIP第2期で採択された「AIホスピタルによる高度診断・治療システム」プロジェクト活動の中から社会実装に向けた検討が進んでいる「医療AIプラットフォーム」構想について、発表が行われた。
 会見では、まず、松尾内閣府政策統括官のあいさつに続いて、プログラムディレクターである中村氏が、「AIホスピタルによる高度診断・治療システム」プロジェクトについて、「最終目標はAI、IoT、ビッグデータ技術を用いたAIホスピタルシステムを開発・構築することにより、高度で、先進的な医療サービスの提供と、病院における効率化、医師や看護師の抜本的負担の軽減を実現し、社会実装することである」と述べるとともに、プログラムの進捗状況として、研究グループ間の連携体制や近未来のAIホスピタルシステム、医療AI診断・治療支援システム(AIプラットフォーム)の概要等の説明を行った。
 中村氏は説明の中で、「AIが医療の現場に導入されると、多くの方が冷たい医療になるのではないかと危惧を抱いているかも知れないが、決してそうではなく、医療従事者の負担が軽減され、時間という贈り物を提供することができる。時間が生まれれば、当然、より患者さんに寄り添うことができ、患者さんを思いやる医療が実現できると思う。つまり、心が通い合う医療を医療現場に取り戻すことを目指すのが、最終的なゴールである」との考えを述べた。
 横倉会長は、日本の医療現場において医療従事者の疲弊が社会問題となっていることから、医療の質の維持・向上や医療現場の負担増を回避するためにも、AI技術を用いた新たな医療提供体制の構築が必要であり、医療界と産業界が一丸となって、国民の健康維持増進、病気の早期治療に貢献できる医療技術のイノベーションが求められていると指摘。今回のプロジェクトに関しては、その普及と推進を支援していくとした上で、会内に「AIホスピタル推進センター」を設置したことを明らかにした。
 更に横倉会長は、同センターは医師や医療機関がプラットフォームを利用するための登録業務を行い、またプラットフォームの事業に対するガバナンス機能も備えていく予定であると説明。「日医は患者や国民に対して、より安全で高い精度の医療サービスを提供していくため、AIホスピタルの社会実装の実現に向けて、同センターを通じてバックアップをしていきたい」と述べた。
 その後は、AIホスピタルプロジェクトの参画機関を代表して、八田泰秀日本ユニシス執行役員より、医療AIプラットフォームの各社の役割等についての説明が行われた。

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