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令和2年(2020年)7月5日(日) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

自由診療における糖尿病治療薬の不適切使用に対する見解示す

日医定例記者会見 6月10・17日

 今村聡副会長は、糖尿病治療薬の一部が"痩せ薬"として不適切使用されている実態について、報告した。
 同副会長は、まず、これまでの糖尿病治療について、日医が日本糖尿病学会、日本糖尿病協会、日本歯科医師会と協力し、「日本糖尿病対策推進会議」を設立するとともに、『糖尿病治療のエッセンス』の作成等により、啓発を進めてきたことを紹介。その上で、「糖尿病治療薬の一部が、個人輸入や美容クリニックにおいて、"痩せ薬"として不適切に使用されている実態がある」と述べ、強い懸念を表明した。
 具体的な事例としては、近年承認された「GLP―1受容体作動薬」を用いて、インターネット上で「GLP―1ダイエット」と広告し、自由診療として行っていることを例に挙げ、「健康な方が医薬品を使用することのリスク及び医薬品適正使用の観点からも、このような行為を禁止すべきである」と強調。同薬には重大な副作用のリスクや禁忌があることについても説明し、医薬品を投与する前提として、「リスクがあるとしてもなお、治療が必要で効果が期待される方に対して投与されるべきであり、国民の健康を守るべき医師が、治療の目的を外れた使い方をすることは"医の倫理"にも反する」と指摘した。
 同副会長は更に、医薬品を医療機関に納入している卸売業者や製薬企業など、流通業界における対応にも課題があるとの見方を示し、厚生労働省による医薬品の適正な流通確保を要望する姿勢を示した他、医療広告のあり方に関しても、特にインターネット上でガイドラインの規定を外れた表記が散見されることから、日医として取り締まりの更なる強化を関係部局へ申し入れていく方針を示した。

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