閉じる

令和2年(2020年)9月20日(日) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

2020年4~6月の調剤薬局等の経営状況の分析結果を公表

日医定例記者会見 8月26日

 松本常任理事は、日医、三病院団体(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会)、全国医学部長病院長会議が実施した新型コロナウイルス感染症の拡大が医療機関の経営に与えた影響調査の結果と比較しながら、このほど行った2020年4~6月における調剤薬局等の経営状況を分析した結果の概要を報告するとともに日医の見解を示した。
 同常任理事はまず、2020年4~6月における病院の「入院診療収入」「外来診療収入」について、医科病院・診療所の医業収入対前年同期比で継続してマイナスとなっている他、医科病院・診療所の医業利益率もマイナス(赤字)となっていることを報告。
 一方で、大手調剤薬局及びドラッグストア等(以下、調剤薬局等)の調剤関連事業売上高(調剤報酬と薬剤料。一部その他を含む)対前年同期比では、大手の中でも中堅の調剤企業ではマイナスを示しているものの、医科病院・診療所ほどには減っておらず、ドラッグストアではプラスの企業もあることを指摘(図1)。M&A、新規出店、長期処方が主要因であるものの、2020年度の調剤報酬プラス改定も一部寄与したと見られ、調剤薬局等の営業利益率はプラス(黒字)になっているとした。
 更に、調剤関連事業の処方箋枚数・単価を対前年同期比で分析した結果、調剤大手企業では、処方箋枚数は減少しているものの、処方箋単価は減少幅と同じくらい増加していることから変化は見られず、ドラッグストアにおいては、処方箋枚数は減少しているが、処方箋単価が大幅に増加している企業があることにも言及。「長期処方の影響については、一年を通して見る必要があるが、医科、調剤の差がこのまま推移すれば、次期診療報酬改定において、現行の配分(医科1・0:歯科1・1:調剤0・3)の見直しも必要になると考えており、今後の動向を注視したい」と述べた。
 また、同常任理事は、調剤薬局の売上高営業利益率では、前年同期比で大きく落ち込んだが黒字を維持していることにも触れた(図2)。改めて「医科病院・診療所の経営状況は著しく厳しいことがより明らかとなった」として、引き続き国に対して経営支援を要請する意向を示した。
 なお、今回の分析結果の詳細については、日医総研のホームページ(https://www.jmari.med.or.jp/research/research/wr_710.html)に掲載されている日医総研リサーチエッセイ『大手調剤薬局等の2019年度決算とその後の状況(新型コロナウイルス感染症の影響)』をご参照願いたい。

200920c.jpg

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる