日医定例記者会見 10月7・14日
猪口雄二副会長は、10月8日に開催された「男女共同参画会議 第5次基本計画策定専門調査会」が示した基本的な考え方(案)の中に盛り込まれた、「避妊をしなかった、又は、避妊手段が適切かつ十分でなかった結果、予期せぬ妊娠の可能性が生じた女性の求めに応じて、緊急避妊薬に関する専門の研修を受けた薬剤師が十分な説明の上で対面で服用させることを条件に、処方箋なしに緊急避妊薬を利用できるよう検討する。」という記載に対する日本医師会の見解を説明した。
同副会長は、まず、緊急避妊薬が薬局では手に入らず、婦人科で相談者にその場で提供されていたものであり、必要としている時に受診できなければ入手できない等、薬へのアクセスの悪さが指摘されてきたことを報告。
それらの改善策として、(1)2019年から厚生労働省ホームページ内に「緊急避妊に係る取組について」のページが設けられ、身近な医療機関を探せるよう、緊急避妊に掛かる対面診療が可能な産婦人科医療機関等の一覧が、都道府県ごとに公表されている、(2)産婦人科以外の医師でも緊急避妊薬を適切に処方できるよう、全国で1000名以上の医師が緊急避妊に関する研修を修了している、(3)現時点で、全国で2960人の薬剤師が、日本産婦人科医会監修による研修を修了し、緊急避妊薬の調剤に応じられるようになっている―ことが実施されていることを説明した。
その上で、同副会長は、「これらの点を踏まえれば、緊急避妊薬に関する専門の研修を受けた薬剤師が十分な説明の上で、対面で服用させるとの同調査会の提言には同意したい」と述べた。
一方、緊急避妊薬のOTC化については、2017年に検討された際、薬剤師のみならず、使用者の性教育の必要性が議論されたことに言及し、厚労省と共に現状を改めて確認した上で、「医師の責務として、より受診しやすい環境を整えるとともに、薬へのアクセスを改善できるよう、丁寧な議論を進めていく」とした。
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