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令和2年(2020年)11月20日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

新型コロナウイルス感染症の診療所経営への影響(2020年7~8月分)に関する調査結果を報告

 松本吉郎常任理事は新型コロナウイルス感染症の診療所経営への影響に関する調査結果の速報値を公表した。
 同調査は、都道府県医師会が連絡した任意の診療所(会員医療機関)が回答。本年3月以降継続して調査を実施してきており、今回で第5回目の調査となる。
 主な調査項目は、2019年及び2020年7~8月の、(1)レセプト件数・診療実日数・点数、(2)損益状況(①医業収入②介護収入③医業・介護費用④医業利益)―であり、10月30日までに7月分は624施設、8月分は493施設から回答を得た。
 結果の概要は以下の通り。
 (1)では、入院外総件数が2020年7~8月において、小児科、耳鼻咽喉科で3~6月に引き続き大幅に減少していた。
 受診控えがその要因の一つと考えられ、2020年3月以降の実績も踏まえた場合でも、小児科では4月以降毎月、入院外総件数が対前年同月比で3割以上減少していた。
 また、入院外総点数は、2020年7、8月においては前年同月比で、小児科で約3割減、耳鼻咽喉科で2割前後の減となっており、他の診療科でも依然として前年同月を下回っていた。
 (2)では、1施設当たりの医業収入(公的保険外収入を含む)が、対前年同月比で5月を底に6月に回復したものの、7、8月はそれほど改善せず、依然として前年同月を下回った。
 具体的には、7月の1施設当たり医業収入の対前年同月の減収額はマイナス1000千円強、8月もマイナス800千円台であり、4~8月通期では、有床診療所がマイナス749千円、無床診療所がマイナス1484千円にそれぞれなっていた。
 医業利益率については、7、8月のいずれも全てのカテゴリーで前年を下回り、医療法人の無床診療所の7月は赤字であった。
 また、1施設当たりの医業利益では、医療法人で有床診療所の5月を除き、対前年同月比で減益が続いている他、無床診療所では4~8月通期で、月平均マイナス1210千円の減額であった。
 同常任理事は最後に、本調査結果を踏まえて、「日本医師会として、新型コロナウイルス感染症が医療機関に与える影響を今後も継続して把握し、国民、政府、厚生労働省等に広く訴えていく」と述べるとともに、国に対して必要な支援を求めていく方針を示した。
 本調査結果の詳細は、日医総研ホームページで後日公開する予定。

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