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令和3年(2021年)6月3日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

総論(新型コロナワクチン接種について)

 中川俊男会長は6月2日の定例記者会見で、新型コロナワクチンの接種が本格化している昨今の状況について、日本医師会の見解を示した。

 中川会長は、東京都や大阪府の大規模接種センターにおいて、自治体との二重予約等による直前のキャンセルの問題が起きている状況に触れ、「大規模接種センターなどに重複して予約された場合には、余裕をもってキャンセルの連絡をして欲しい」とお願いした上で、「現在、ワクチンの供給量は十分確保されており、接種できる場所の選択肢も増えている。希望される方は必ず接種を受けることができるので、安心して欲しい」とし、地域の実情に応じて、集団接種と個別接種を適切に組み合わせることが重要であると強調した。

 また、地域の医師会やかかりつけ医等の医療機関では、ワクチン接種のスピードアップに向けて総力を挙げて取り組み、その機動力も発揮されてきたことを報告。和歌山県、東京都小金井市、福島県相馬市において、自治体と医師会との連携により接種率が向上していることや、日常診療において、かかりつけ医が患者に接種の呼び掛けを行う等、それぞれの具体的な取り組み事例について紹介した。

 更に、ファイザーのコミナティの添付文書が改訂されたことを受け、2~8℃で1カ月間の冷蔵保存が可能となったことで、医療機関にとっても使い勝手が良くなったことを挙げ、今後のワクチン接種について、かかりつけ医による個別接種が進むとの見通しを示した。

 一方、集団接種について、接種会場での担い手不足が指摘されていることに関しては、接種会場では、受付、予診、薬剤の調製や注射器への充填、接種、健康観察など、さまざまな職種が接種の「担い手」となっているとし、必ずしも注射の打ち手不足ではなく、地域によってどの職種が手薄になっているかは異なるではないかと指摘。現在、多くの医療従事者がワクチン接種の担い手としての協力の意向を示し、準備をしていることから、徐々にマッチングが進んでいくのではないかとした。

 また、「接種会場の一連の流れがうまくマネジメントできていない」「初見の方のために、予診に手間取る」といった集団接種会場の流れが円滑に進まない事例については、知見が集積され、その解決策も明らかになってきているとし、日本医師会として各地域の好事例を収集する仕組みを導入し、今後全国の地域医師会に発信することで横展開していく意向を示した。

 中川会長は最後に、接種を希望される方が、速やかに接種を受けられるよう、学校や職域といった、あらゆる場面で接種を受けられる体制づくりが今後ますます必要になってくると指摘。引き続き、幅広い関係先と緊密な連携を取りながら、全国の医師会や会員の先生方と力を合わせては、接種体制の整備を更に進めていくとの考えを改めて示し、その支援と協力を求めた。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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