松本吉郎常任理事は、第8回経済財政諮問会議(6月9日開催)での「経済財政運営と改革の基本方針2021(仮称)(原案)」の公表及び、6月8日に規制改革実施計画に関する一部報道があったことを受けて、6月16日に記者会見を行い、改めてオンライン診療に関する日本医師会の見解を示した。
松本常任理事はまず、オンライン診療は解決困難な要因によって、医療機関へのアクセスが制限されている場合に対面診療を補完するものであり、「安全性と信頼性をベースにする」ことがオンライン診療を行う前提であるとの日本医師会の認識を改めて示した上で、「安全性と信頼性」を担保できる医師は、身近な地域のかかりつけ医とすることが大原則であると強調した。
更に、国が国民にかかりつけ医をもつことを進めていることから、オンライン診療も当然それに寄り添った仕組みとなるべきであり、例外的にかかりつけ医でない医師が初診からオンライン診療を行うことに関しては、かかりつけ医から提供された診療録や診療情報提供書などに基づき、医学的見地から対面診療と同等の患者情報が得られたと判断される場合に認められるべきとの考えを示した。
その一方で、オンライン診療を誰が行うにしても、患者と医療機関の距離や対面診療との適切な組み合わせ、更に処方できる医薬品の範囲等を定めておく必要があると指摘。オンライン診療を適切に実施することが難しいと判断した場合には、速やかに対面診療に切り替えることが必要であり、初診をオンライン診療で行わざるを得ない場合でも、その後の診療は対面診療と適切に組み合わせて行うべきと主張した。
最後に同常任理事は、「かかりつけ医をもたない初対面の患者さんにオンライン診療を行うことはリスクがあり、まずは対面診療を実施すべき」との考えを改めて強調。「今後、厚生労働省の検討会において、初診からのオンライン診療に関して検討する際にも、日本医師会として患者の安心安全が必要不可欠であることを第一に、かかりつけ医によるオンライン診療を実施することを主張していく」とした。
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