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令和3年(2021年)7月20日(火) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

新型コロナワクチン接種等について

日医定例記者会見 6月23・30日

 中川会長は9都道府県での緊急事態宣言が解除されてから10日を経た新型コロナウイルス感染症の感染状況及び、新型コロナワクチンの接種対象者が拡大する昨今のワクチン接種の状況等について、日本医師会の見解を示した。
 中川会長はまず、医療提供体制に関する指標が全国的には改善傾向である一方で、首都圏の直近1週間の新規陽性者数は増加し、更に主な繁華街では人出が増加し続け、かつ、感染力が強い「デルタ株」の検出割合も増加していることから、「特に首都圏では、すでにリバウンドが始まっていると言って良いのではないか」との見方を示した。
 その上で、このまま感染者の増加傾向が続けば、いわゆる「上り」としての更に強いまん延防止等重点措置に移行せざるを得なくなる恐れがあり、下った途端に上る「V字型」という今までにない事態になることに懸念を示した。

ワクチンの配分量、スケジュールの提示を要請

 次に、新型コロナワクチン接種については、「ワクチンが本当に来るのか分からないので、予約を受け付けられない」といった報告が寄せられている他、日本医師会女性医師バンクの新型コロナワクチン接種人材確保相談窓口から医師等を紹介した職域接種会場にワクチンが届かず、接種を中止した事例が発生していることを報告。国内に供給されているワクチンは、報告されている限りでは、半数程度が使用されていない計算であるのにワクチンが届かない理由としては、「自治体から接種施設への供給までの間に時間を要していること」「接種施設が予約を受け付ける時点で2回分のワクチンを確保、保管していること」などが考えられるとした。
 その上で、田村憲久厚生労働大臣が、ファイザー製のワクチンについて自治体の在庫調査を行うと6月22日に発表したことに触れ、V―SYSとVRSを有機的に連携し、早急な調査を進めることを求めるとともに、日本医師会としても協力する意向を表明。国に対しては、自治体への配分量やスケジュールの早めの提示を継続して要請し、「自治体や接種施設においても、ワクチンが滞留・偏在しているような状況があるのであれば、その解消をお願いしたい」と述べた。
 最後に中川会長は、これから現役世代への接種が広がることを控え、「ワクチンが最大の効果を発揮するためには、2回の接種を確実に行うことが必要となるが、1回目と2回目の間隔(ファイザーは3週間、モデルナは4週間)を守って頂くことも重要になる」と指摘。加えて、「予約時に2回目の接種が行える日程かどうか確認すること」「効果が出るまで一定の時間(2回目接種から1~2週間)を要することから、接種後も引き続き感染防止対策が必要であること」に注意を呼び掛けた。
 また、日本医師会を始め全国の地域医師会は、「収束への突破口を開くために、全力で新型コロナワクチン接種を推進し続けていく」との姿勢を改めて示した。

ワクチン接種推進に向けた好事例

●岡山県医師会
 集団接種会場の運営業務の委託について、15市町と県医師会が協定を締結。各市町の状況に応じて、会場の設置運営や医療従事者の派遣調整、医療従事者への報酬支払いを県医師会が請け負っている。
●豊田加茂医師会(愛知県)
 豊田市、みよし市と医師会との協議により、集団接種と個別接種の計画を立て、個別接種に加えて、土日に行う集団接種の実施に向けて、医師会員に対して協力を要請。市の担当者を招聘(しょうへい)して、対面とオンラインのハイブリット型でワクチン接種の説明会や勉強会を開催し、接種方法や運営に係る疑問点の解消に努めている。
●横浜市医師会(神奈川県)
 集団接種の計画時点から、市と医師会との協調体制ができており、市医師会と各区医師会が、担い手の募集や運営事務業務を請け負うなど、行政と効率の良い業務分担によって、集団接種を市内18区で一斉に開始することができた。
 また、集団接種会場では、余剰ワクチンのロスが発生しないよう徹底している。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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