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令和3年(2021年)7月27日(火) / 「日医君」だより / プレスリリース

新型コロナウイルス感染症に係る外国人医療の取り組み報告について

 松本吉郎常任理事は、7月21日の定例記者会見で、在留外国人を取り巻く状況とこれまでの日本医師会の取り組みについて説明した。

 まず松本常任理事は、日本に在留する外国人の状況について、新型コロナウイルス感染症の影響により、国際的な人の往来が抑制され、国内に在留する外国人が帰国を希望しても帰国が困難な状況であり、また、景気も後退し、在留外国人が企業・アルバイト先等から解雇されて職を失う事態が発生しており、令和3年3月時点の在留外国人は約5万人を超え、今もその状況が続いているとした。

 この状況を受けて、現在、国では在留外国人向けに出入国在留管理庁が相談窓口を開設等、医療機関向けに厚生労働省がワンストップ窓口等の支援策や情報発信に取り組んでいる。しかし、情報収集に困難な外国人患者の傍ら、その対応に苦慮している医療関係者も多くなっていることから、日本医師会として、より良い外国人医療の提供に向けた6項目の施策(1.コロナ対策の周知・広報(ワクチン接種を含む)の徹底、2.外国人のワクチン接種特例対応(住民票所在地以外での接種)の実施、3.予診票や問診票の多言語対応・全国統一フォームの作成、4.ワクチン集団接種に係る医療通訳費用等の負担免除、5.ワクチン接種証明書の発行及び日本語・外国語の併記対応、6.平日を含むワンストップ窓口の24時間対応)を、厚生労働省に要望したことを明らかにするとともに、実現した内容について説明した。

 1.では、日本医師会ホームページ内に外国人医療に関するポータルサイトを新設したことを紹介。ポータルサイトは、「日本医師会の取組」「医療機関向け支援」「外国人向けの支援」の3項目に分けて情報を整理し、医療機関向けには、外国人医療を行う上で役に立つ情報や医療通訳サービス、医療機関向けの相談窓口、多言語説明資料など、厚生労働省から発信されているリンクを掲載した。また、医療機関に来られた外国人患者向けには、相談窓口やガイドブックなど出入国在留管理庁から発信されているリンクを掲載していると説明した。

 2.では、「外国人も日本人同様に、原則、住民票所在地においてワクチン接種を受ける対応となっているが、コミュニケーション不足等により生じる事故に晒される可能性があるため、市区町村の枠を越えて、日常的に外国人を受診しているところで受けられる仕組みを講じるべき」と厚生労働省に働き掛けた結果、やむを得ない事情があり、住民票所在地において接種を受けることができないと考えられる者の中に、「コミュニケーションに支援を要する外国人や障害者等がかかりつけ医の下で接種する場合」が追加されたとした。

 3.では、厚生労働省によって17言語の対応がなされ、外国人労働者に対する健康診断問診票の多言語対応も行われたことを報告し、日本医師会のポータルサイトにもリンクを掲載しているとして、その活用を呼び掛けた。

 4.では、当初、医療機関による費用負担が懸念されていたが、集団接種の際の通訳費用等については、「新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業」として国で負担されることになったことから、地方自治体からも外国人のワクチン接種における好事例が挙がってきているとした。

 5.では、「入国の際にPCR検査結果等の陰性証明やワクチン接種証明を求められる中、日本国内で不当な差別とならないよう、最大限配慮をしつつ、諸外国(ヨーロッパ等)の取扱いを鑑み、ワクチン接種証明書の発行を検討すべきである」と厚労省始め関係省庁へ働き掛けた結果、7月26日より接種証明書の交付申請受付が各自治体において開始される予定となったことを報告した。

 6.では、都道府県が設置主体である平日ワンストップ窓口の設置状況を踏まえて、「専門家がいない不慣れな都道府県に窓口を設置するより、全国1~2カ所に対応ができる総合窓口を設置(専門業者への委託も含む)した方が、効率的で質の向上が図れるのではないか」、また、「外国人が日本の保険制度を知らないことで生じるトラブルもあり、医療機関・外国人の双方に対応し得る体制を目指すべき」と厚生労働省に働き掛けた結果、オリンピック・パラリンピック期間(7月1日~9月30日)はワンストップ窓口で平日も含めて24時間対応をすることになったことを明らかとした。

 最後に同常任理事は、「新型コロナウイルス感染拡大防止策については、日本人のみならず、外国人にも目を向けたきめ細かい対応が求められる」と述べるとともに、「地域において質の高い医療を提供し、言葉や文化の壁を乗り越えるためには、個別医療機関の自助努力のみならず、国・自治体・医師会等の支援・連携が重要になる」と強調。加えて、「日本医師会は、オリンピック・パラリンピックの成功に向けて、全力で支援するだけでなく、コロナ収束後、以前のような訪日・在留外国人が往来する将来を見据え、今からできることを着実に進めていく」との姿勢を示した。

◆外国人医療関連

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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