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令和3年(2021年)9月5日(日) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

新型コロナウイルス感染症の現況について

日本医師会定例記者会見 8月4・18日

新型コロナウイルス感染症の現況について

新型コロナウイルス感染症の現況について

 中川俊男会長は、(1)新型コロナウイルス感染症の感染状況と緊急事態宣言、(2)学校の対応、(3)入院治療の困難例の多発、(4)中和抗体薬の要件緩和、(5)新型コロナ医療と通常の医療の両立―について説明を行った。
 中川会長は冒頭、今般の豪雨による被害者へのお見舞いの意を表明した上で、(1)について、8月17日に政府が決定した緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象区域拡大や期間延長の内容を説明。
 その上で、「日本医師会は、これまで全国一律に緊急事態宣言を発令することを求めてきた」と述べ、その理由として、①第5波の発生当初から、デルタ株への急速な置き換わりにより、感染拡大が全国に波及することが予測された②緊急事態宣言が発令されている区域から、それ以外の区域への人流によって感染が拡大する恐れがある③全国一律に宣言を発令することにより、政府の危機感を少しでも全国で共有することができると考えられる―ことを挙げるとともに、「緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の第一の目的は、未知の新興感染症に対する危機感と緊張感を共有することで感染拡大を防止し、苦しむ人を一人でも減らすことにある」と強調した。
 (2)では、現在、学校の部活動を通じたクラスターの発生も少なくなく、夏休みで部活動が盛んに行われている地域もあることを指摘し、PCR検査のタイミングやチーム全体での移動方法、新学期開始後の集団感染防止策について、文部科学省に具体的な手立てを早急に講じるよう要請する意向を示した。
 (3)では、新型コロナウイルス感染症患者の入院基準について、政府が重症患者と特にリスクの高い患者に限定する方針を発表してから、日本医師会からの要請を受け、"入院は重症患者、中等症患者で酸素投与が必要な者、投与が必要でなくても重症化リスクがある者"を対象とし、それは医師の判断によるということが明確化されるまでの経緯を解説。
 中川会長はその対応を評価した上で、東京都など首都圏で、これまで入院対象であったリスクの高い中等症患者が自宅療養を余儀なくされていることを踏まえ、民間が所有するものを含めた大規模イベント会場、体育館、ドーム型の運動施設などを、改正特措法に基づく「臨時の医療施設」とし、集中的に医療を提供する場所を確保することを提案した。

自宅療養者への対応で経団連と協議を開始

 また、日本医師会として、全国の医師会から自宅療養への好事例を収集、情報共有していることを説明するとともに、宿泊療養については、療養場所の確保が課題となっていることから、日本経済団体連合会と連携に向けた協議を行っていることを公表。「全国にある企業の宿泊研修施設を、不足している宿泊療養施設または臨時の医療施設として活用するために提供することを前向きに検討して頂いている」と述べた。
 (4)では、今般、投与後一定時間の健康観察を行う短期入院と宿泊療養施設・入院待機ステーションでも使用が可能となった中和抗体薬「カシリビマブ及びイムデビマブ」(ロナプリーブ)について、改正特措法上の「臨時の医療施設」に位置付けた宿泊療養施設で、ロナプリーブの投与を行えるようにすることを提案した。
 また、(5)では、新型コロナウイルス感染症の「第5波」に対し、全国医学部長病院長会議が8月10日付けで声明を公表したことに触れ、日本医師会は同会議と同様の危機感を共有しているとした上で、新型コロナ医療も通常医療も命の重さは同じであることを強調。「新型コロナ医療のために通常の医療が制限されることの重大性は計り知れない。そのことからも新型コロナウイルスの感染拡大を徹底的に抑え込む必要がある」とした。
 中川会長は最後に、8月17日付けで全国の医師会員に向け、新型コロナウイルス感染症の爆発的拡大に対するより一層の協力を依頼する旨の書簡を直接送った(1面参照)ことを明らかにするとともに、その内容については、「入院対応が難しい医療機関においても、今一度、受け入れをご検討頂くこと、診療所においては、自宅療養、宿泊療養の患者の健康観察、電話等による診療や往診を行って頂くことを改めてお願いするものとなっている」と説明した。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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