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令和3年(2021年)11月29日(月) / 「日医君」だより / プレスリリース

診療報酬の改定に向けて

 中川俊男会長は11月24日の定例記者会見で、同日に「第23回医療経済実態調査(医療機関等調査)」の結果が公表されたことを受け、そのポイントやこれからの診療報酬改定に向けた日本医師会の姿勢を説明した。

 中川会長は冒頭、これから本格化する診療報酬改定率の決定に向けた議論について、医療現場は新型コロナウイルス感染症への対応を通じて著しく疲弊しているとした上で、改めて「躊躇なく『プラス改定』とすべき」と主張。

 また、同調査について、改定率決定の参考とすることに財務省が疑義を示していることに対し、「中医協において、永年にわたって改良を重ね、進化させてきた調査であり、その結果は尊重されるべき。むしろ、マイナス改定ありきで、この結果を軽視しようとするなど、あってはならない」と述べた。

 結果への受け止めについては、「診療報酬による特例的な対応がとられたものの、コロナ補助金を除いた損益差額率は大きく悪化している。重点医療機関には診療報酬面でも集中的な支援がなされたが、それでも補助金がなければ大幅な赤字、重点医療機関以外では補助金を含めても大幅な赤字という実態である」とした上で、今後、新型コロナウイルス感染症が収束していけば補助金は当然無くなると考えられることから、「今ここで診療報酬できちんと手当しなければ、地域医療を立ち直らせることはできない」と強調した。

 引き続き、同調査結果の主なポイントを(1)損益差額率/直近2事業年(度)、(2)給与費伸び率/病院長、医師、(3)診療所 入院外1施設当たり日数―の3つの観点から説明を行った。

 (1)では、1.新型コロナウイルス感染症に対応して、診療報酬による特例的な対応がとられたが、損益差額率(コロナ補助金を除く)は大きく悪化。新型コロナウイルス感染症関連の補助金を含んだ場合でも、一般病院の損益差額率はほぼプラスマイナスゼロ、一般診療所では損益差額率が前々年度よりも縮小した、2.重点医療機関では新型コロナ関連補助金を含んだ損益差額率は黒字であったものの、補助金がなければ大幅な赤字。重点医療機関以外では補助金を含めても赤字であり、新型コロナ患者の受入の有無にかかわらず、経営状況は非常に厳しい、3.一般診療所では、発熱外来を実施したところで、補助金を含めてもなお損益差額率が大幅に低下。実施していないところでも、損益差額率が低下した―こと等をポイントとして挙げた。

 (2)では、給与費面では、院長給与・医師給与が低下しており、病院長の給与はマイナス1%前後かそれ以下の低下であったことなどを説明した。

 (3)では、「受診回数は新型コロナウイルス感染症流行前の水準には戻っておらず、今後、新型コロナウイルス感染症の収束により診療報酬の特例及びコロナ関連補助金が打ち切られた場合、医業機関経営は、きわめて厳しいものになることが懸念される」と指摘した他、入院外受診日数(1施設あたり日数)は、耳鼻咽喉科、小児科で大幅に落ち込んでおり、新型コロナ感染症収束後の医療機関経営の回復が見通せる状況にはないとした。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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