第21代日本医師会長に就任した松本吉郎会長をより多くの方に知ってもらうため、会長の人となりを今号から数回にわたって、Q&A方式で紹介する。 |
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Q医師を志した時期や理由、また、なぜ皮膚科を選んだのか、その理由を教えて下さい。
A 中学生になった頃から、医師であった叔父に会う度に、「医師という職業は世の中や国民のためになり、やりがいのある仕事だ」と言われ続けてきたことがきっかけとなって「医師になりたい」と思い始め、高校2年の時に、はっきりと医学部を目指す決意をしました。
結局1年浪人しましたが、無事に医学部に入学ができ、今は主に皮膚科医として診療していますが、当初は形成外科医になりたいと思っていました。
大学で形成外科の講義を聴いている時に、色々な写真や映像を見せてもらいましたが、こんなことが今の医療でできるのかと驚きましたし、形成外科は(皮膚科も同様ですが)、目で見てもその治療結果が分かりやすい科です。その分厳しさも要求されるのですが、そのような理由から形成外科を選ぶことにしました。
しかし、当時の浜松医科大学では形成外科は独立しておらず、皮膚科の中に形成外科がありましたし、恩師から「形成外科だけやるのもいいけれど、もうちょっと広い視野を持って勉強した方が良い」と言われ、皮膚科の勉強もするようになりました。
大学病院から基幹病院に、皮膚科医として1年間出向していた際には、その恩師が毎週来て下さり、私が診療をしている時には私のそばで、しっかりご指導して頂きました。当時は非常にプレッシャーに感じていましたが、皮膚科専門医並びに形成外科専門医として診療を続けていられるのは、その1年間があったおかげであり、今では恩師に非常に感謝しています。