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令和4年(2022年)8月12日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース

中医協答申を受けて

 長島公之常任理事は8月10日に開催された中医協総会において、「看護の処遇改善」並びに「医療DXへの対応」に関する答申が取りまとめられたことを受けて、同日、記者会見を行い、日本医師会の見解を説明した。

 「看護の処遇改善」として、「看護職員処遇改善評価料」が新設されたことについては、「毎月変動する患者数などに左右される診療報酬で補てんすることや、既に施行されている補助金制度からスムーズに移行させるという、両方の難しさについて、中医協として認識を共有した上で、これまで検討した結果であり、現時点で考え得る最適解ではないか」との認識を示した。

 その一方で、現在、新型コロナウイルス感染症の爆発的な感染状況が継続している中で入院患者数の急激な変化が起きることも当然想定されるとし、中医協で行ったシミュレーションでは想定できなかったような事態が生じた場合には、緊急的な対応を検討する余地も残してもらいたいと中医協の議論の中で主張したことを説明。

 また、看護師以外の医療関係職種を広く対象とすることも含め、処遇改善の取扱いを今後どうしていくかという点については、診療報酬とは別枠でその財源を確保していく必要があるとの考えを示した。

 「医療DXへの対応」に関しては、まず、オンライン資格確認等システムについて、将来的に医療全体にわたるプラットフォーム、医療DXの基盤になるものであり、義務化のいかんに関わらず、最終的には全ての医療機関に導入されるべきとの日本医師会の考えを説明。その考えの下に、日本歯科医師会や日本薬剤師会と共に「オンライン資格確認推進協議会」を立ち上げ、取り組みを進めてきたとした。

 中医協において、療養担当規則が改正されるとともに、令和4年度診療報酬改定で新設した「電子的保健医療情報活用加算」を廃止し、新たに「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」を新設すること等が了承されたことについては、「いずれも骨太方針に基づく対応であり、賛成した。今回、義務化を契機として、10月から点数が見直されることは当然であり、中医協としてもマイナ保険証の利用を進めていくことの必要性が議論されたものと受け止めている」と述べるとともに、今回、医療情報化支援基金による補助の見直しが行われ、財政的支援が拡充されたことについて評価する考えを示した。

 その上で、今後については、「日本医師会として、各医療機関の導入に向けた環境整備に全力で取り組んでいくばかりでなく、紙レセプトで請求している医療機関以外の医療機関に一刻も早く導入してもらえるよう、働き掛けていく」とした。

 一方、療養担当規則で義務化されることになったことに関しては、「医療機関では非常に重く受け止めている」とした上で、離島やへき地、都心でも建物の構造によっては光回線が普及していない、あるいはベンダーと契約したにもかかわらず、結果的にベンダーの対応が遅れてしまった場合など、医療機関の責任とは言えないやむを得ない事情により、2022年4月に間に合わない事態が生じてしまう場合もあると指摘。「今後の導入状況を把握した上で、その結果によっては必要な措置を講ずることもあり得る」と述べるとともに、「日本医師会としても、このような医療機関が出ることのないよう、推進協議会の活動などを通じて、厚労省や業界団体と協力し、できうる限りの努力をしていきたい」とした。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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