日本医師会定例記者会見 10月12・19日
猪口雄二副会長は、新型コロナウイルス感染症対応人材ネットワークが取り組んでいる「人材育成事業」の研修内容を説明し、研修への参加を呼び掛けた。
同ネットワークは、日本医師会が四病院団体協議会、全国医学部長病院長会議、全国自治体病院協議会、日本慢性期医療協会と共に立ち上げたものであり、現在、主要事業として「人材育成事業」を行っている。
同副会長は、「人材育成事業」について、「中等症対応等研修」(「病棟管理ができる医師の養成」を目標としており、主に大学病院が行う研修を想定し、eラーニングやオンデマンド動画も活用した病院での実践研修が中心。受講者にはアンケートも行いながら、新規対応も含め、中等症以上のコロナ対応に取り組む医師、医療機関が増えることを狙いとしている)と「初期対応研修」(主に都道府県や郡市区医師会による研修を想定し、eラーニングやオンデマンド動画などにより、コロナ対応の基本的な診断・治療、感染対策、ゾーニング等を基本にした内容)があり、これらの研修に対して、日本医師会は多くの個人・団体より頂いた大切な寄附金を財源として、開催費用を補助していることなどを概説した。
更に、「中等症対応等研修」に関しては、「都道府県医師会や病院団体・支部の協力を得て募集しているが、多くの大学で研修の場を設けて頂いた」として、全国医学部長病院長会議の尽力に感謝の意を表明するとともに、この研修を通じて大学病院と地域の医療機関等との連携強化にもつなげることができるとした。
「初期対応研修」の実施例としては、高知県の吾川(あがわ)郡医師会を紹介。「日本医師会に登録のあったものはこの一件となるが、実際には、コロナ禍の3年弱の間、各地の都道府県医師会、あるいは郡市区医師会では、内科医など感染症をよく診ている医師以外の医師の方向けに、コロナ対応の標準化を図るため、研修の実施や、マニュアルの作成も行って頂いている」とした。
その上で、同副会長は、今年の夏の第7波を超えるような感染拡大が起こり、患者の絶対数が膨大なものになれば、中等症以上の医療ニーズも高まること、全国各地で感染が拡大すれば、他の地域へ医師等を派遣することも困難となることに触れ、「中等症対応等研修」の意義を強調。また、初期対応研修についても、コロナとインフルエンザの同時期の流行が起きた時、最も重要となるのは「診療・検査医療機関」であり、その推進により、コロナ対応の裾野が、可能な限り広がっていくことが期待されるとした。
また、今後のコロナ対応については、重症化リスクの高い患者を多く抱え、コロナ以外の通常医療を分担している医療機関、頻発化している自然災害への医療支援活動においても必須になるとして、引き続き、各地の医師会に研修事業の周知徹底を図る意向を示すとともに、各報道機関に対して、その周知への協力を求めた。
新型コロナウイルス感染症対応人材ネットワーク「中等症対応等研修」受講者募集 |
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中等症以上のコロナ対応に取り組む医師、医療機関を増やすことを目的として、「中等症対応等研修」を実施しています。 受講を希望される方は、下記の専用ウェブサイトからお申し込み下さい。 https://www.knt.co.jp/ec/med/form.html |
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