日本医師会定例記者会見 10月26日
城守国斗常任理事は、日本医師会が指定を受けた医療機関勤務環境評価センターの事業内容を説明するとともに、10月31日から「評価受審の受付」を開始したことを明らかにした。
同常任理事は、日本医師会が今年4月に医療法の規程に基づく「医療機関勤務環境評価センター」の指定を受け、国から事業運営に必要となる「業務規程、事業計画、評価に関する手数料、委員会」などの認可を得てから、準備を進めてきた経緯を説明した上で、(1)評価センターの組織としては、外部有識者で構成する「評価等業務諮問委員会」「事業運営委員会」「評価委員会」の三つの委員会を設置している、(2)評価センターの広報については、9月にホームページを公開。10月26日までに5700件のアクセスがあり、医療機関からも評価方法などの問い合わせを受けている―ことなどを報告した。
実際の評価等業務については、「医療機関の医師の労働時間短縮の取組の評価に関するガイドライン(評価項目と評価基準)」(以下、ガイドライン)に基づいて、病院または診療所の管理者からの求めに応じ、医師の労働時間の短縮のための取り組みについて評価することになっているとした他、その評価をするサーベイヤーに関しては、全国から医師である医療サーベイヤー202人、社会保険労務士である労務管理サーベイヤー171人の研修が10月末までに修了したことを概説した。
また、ガイドラインに関しては、全項目数が88項目あり、内容も多岐にわたっているため、医療機関から「どのように受審の準備をしたらよいか分からない」という声が多数寄せられていることを踏まえ、項目ごとに評価のポイントを記載した解説集を作成したことを紹介。「受審を予定している医療機関には、解説集を参考に準備を進めて欲しい」と述べた。
更に、評価方法については、書面評価が基本となることから評価システムを構築し、オンライン上で実施することを前提に準備を進めており、最終的な確認作業を経て、評価センターのホームページ上で「評価受審の受付」を開始したことを報告。評価受審の手数料に関しては、国から税込33万円とすることの認可を得ているとした。
今後の評価スケジュールに関しては、医療機関から必要書類を受領してから評価結果の通知ができるまで、「スムーズに審査が進んだ場合でも、4カ月程度掛かることを想定している」と説明。ただし、評価項目に確認事項などが生じた場合は、4カ月以上の期間を要する可能性があることから、「受審の準備に当たって不明な点がある場合には事前に、まずは都道府県の医療勤務環境改善支援センターへ相談して欲しい」と述べた。
その他、同常任理事は2024年4月が近付くと多くの医療機関から評価審査の申し込みが殺到する可能性があることにも言及。「B・C水準の指定を検討している医療機関においては、評価審査の期間を十分に考慮し、遅くとも来年の夏前までには受審の申し込みをお願いしたい」とした。
その上で、同常任理事は、評価センターとしては、医療機関の医師の労働時間短縮に係る取り組みを評価することになるが、医療機関の評価の状況を踏まえながら勤務環境の改善に向けた支援も行っていくとの考えを示すとともに、「初めての事業運営となるため、手探りのところも多々あるが、引き続き皆様からのご協力をお願いしたい」として、評価センター運営への支援と協力を求めた。
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