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令和5年(2023年)9月20日(水) / 日医ニュース

基本診療料の大幅な引き上げ等を求める中間答申まとまる

左から松本会長、齋藤委員長、神村常任理事左から松本会長、齋藤委員長、神村常任理事

左から松本会長、齋藤委員長、神村常任理事左から松本会長、齋藤委員長、神村常任理事

 有床診療所委員会はこのほど中間答申を取りまとめ、8月22日に担当の神村裕子常任理事同席の下、齋藤義郎委員長(徳島県医師会長)から松本吉郎会長にWEBを用いて、提出された。
 本委員会では昨年11月、松本会長から「次期医療計画策定等を踏まえ、将来を見据えた有床診療所のあり方について」の検討を行うよう、諮問を受けた後、5回にわたって委員会を開催し、中間答申を取りまとめた。
 中間答申は、「1.はじめに」「2.令和6年度診療報酬改定並びに介護報酬改定等に対する要望」「3.おわりに―最終答申に向けた課題等―」で構成されている。
 その中では、「有床診療所は入院できる、いわば究極のかかりつけ医機能を担い、支える医療の観点からも、医療の継続性の観点からも、まちの中にある身近な安心できる医療機関として、これまで以上に主要な役割を果たすことができる」として、有床診療所の役割を強調。その一方で、コロナ禍による経営状況の悪化や最近の過酷な物価上昇への対応、少子高齢化に伴う人材不足等により、地域で将来的な活躍が望まれる有床診療所の存続が危ぶまれる状況に陥っているとして、必要な診療報酬等の対応を求めている。
 具体的には、以下の7点を挙げている。
(1)―①基本診療料(初・再診料、入院基本料)の大幅な引き上げ
(1)―②平成9年消費税率引き上げ時に引き上げられて以来、見直されていない入院時食事療養費の引き上げ
(2)有床診療所回復期病床入院基本料(有床診療所で回復期を担う病床に関わる診療報酬)の新設
(3)有床診療所療養病床の看護職員配置基準について(2024年4月1日以降も6対1での継続等、柔軟な取り扱いを認める、6対1の継続が難しい場合には4対1への移行が困難な有床診療所療養病床が一般病床への転換が可能となることを認める)
(4)スプリンクラー問題について(消防法施行の直前にスプリンクラーを整備した場合や新基準を満たさないスプリンクラーの設備更新も補助制度の対象とするなど)
(5)介護医療院の食事基準費用額の引き上げ
(6)介護支援専門員のダブルワーク促進(居宅介護支援事業所等で介護支援専門員のダブルワークを認めるようにするなど)
(7)一般病床からの介護医療院への転換を可能とすること
 その他、「おわりに」では、正常分娩の出産費用の保険適用に係る問題についても、最終答申に向けた課題として触れられている。
 なお、本委員会では、引き続き、次期医療計画策定等を踏まえ、将来を見据えた有床診療所のあり方について、検討を重ねていくことにしている。

お知らせ
 令和5年度有床診療所委員会の中間答申の全文は、日本医師会ホームページのメンバーズルームの「医師会活動」の中の「会内委員会(報告書・諮問等)」「地域医療課」に掲載されていますので、ぜひ、ご一読願います。

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