日本医師会定例記者会見 11月22・29日
釜萢敏常任理事は、医療機関の新型コロナウイルス感染症対応を振り返り、医療機関の果たした役割の重要性を説明した。
同常任理事はまず、直近の新型コロナの流行状況について紹介。注視していく必要はあるものの、感染は少ない状況とした一方で、インフルエンザ等により発熱を訴えて受診する人は依然として多く、医療機関は感染防護を緩められない状況にあることを説明した。
次に、新型コロナ対応における外来対応医療機関(診療・検査医療機関)の数が約5万にまで増えたことや、正確な数字を出すことは難しいとしつつも、これまでに診療所の発熱外来では7700万人(推計値)を診ている計算になることを紹介し、「この数字からも多くの医療機関がコロナ対応に全力で取り組んできたことが分かる」と述べた。
また、新型コロナワクチンの接種状況を解説。今秋開始の新型コロナワクチン接種数は、65歳以上の高齢者を中心に少なくとも約1900万回に達しており、個別接種において診療所の医師が大きな役割を担っているとの見方を示すとともに、「診療所において、コロナへの対応はしっかり行われている」と強調した。
同常任理事は更に、NHK放送文化研究所が加盟する国際調査グループによる国際調査結果において、コロナ禍前よりもコロナ禍後の方が日本の医師や医療制度に対する信頼が高くなっていることや、日医総研ワーキングペーパー〔「英・独・仏の"かかりつけ医"制度―平時の医療提供体制、新興感染症へのレスポンス―」(https://www.jmari.med.or.jp/result/working/post-3943/)〕において、イギリスのGP制度がコロナ対応では機能しなかったことが示されていること等を紹介。財務省から病院と診療所を分断するような考えが示されていることについて、「こうしたことを踏まえて考えるべき」と主張した。
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