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令和6年(2024年)6月20日(木) / 「日医君」だより / 日医ニュース

厚生労働大臣と医療関係団体との賃上げ等に関する意見交換で賃上げの促進に全面的に協力する意向を表明

厚生労働大臣と医療関係団体との賃上げ等に関する意見交換で賃上げの促進に全面的に協力する意向を表明

厚生労働大臣と医療関係団体との賃上げ等に関する意見交換で賃上げの促進に全面的に協力する意向を表明

 松本吉郎会長は5月24日、厚生労働省で開かれた武見敬三厚労大臣との令和6年度診療報酬改定を踏まえた賃上げ等に関する意見交換に出席し、賃上げの促進に全面的に協力する意向を伝えた。

 今回の意見交換は、令和6年度診療報酬改定において、特に重要な課題である「賃上げ」と「医療DXの推進」について医療関係団体に協力を求めたいとの武見厚労大臣の強い希望により行われたもので、松本会長の他、高橋英登日本歯科医師会長、山本信夫日本薬剤師会長、相澤孝夫日本病院会長が出席した。
 冒頭のあいさつで武見厚労大臣は、岸田政権の最優先課題でもある、約30年間続いたデフレからの脱却のためには、持続的な賃上げが欠かせず、診療報酬を主な収入源とする医療機関・薬局においても賃上げを行っていくことが必要であると強調。今回改定で医療関係職種の賃上げのために新設された「ベースアップ評価料」について、算定に必要な届出の準備が間に合わないといった現場の声も踏まえて、6月から算定を開始する場合の届出期限を6月3日までとしていたものを、6月21日まで延長したことも説明し、「より多くの医療機関で算定して欲しい」と要望した。
 また、医療DXの推進については、マイナ保険証の利用率の更なる底上げが必要であるとし、「6月からの『医療DX推進体制整備加算』の算定も検討の上、これまでの受付事務のあり方を見直すとともに、マイナ保険証の利用の声掛けなどの協力をお願いしたい」と述べた。
 続いて行われた意見交換では、松本会長が令和6年度の診療報酬改定において、30年ぶりの賃金上昇や物価高騰、更には日進月歩する医療の高度化への対応として、プラス0・88%の改定率を確保できたことについては、「武見厚労大臣を始めとした多くの政府・与党関係者の方々に医療の実態を理解して頂いた結果である」とし、改めて感謝の意を述べた。
 医療関係職種の賃上げ促進に向けた日本医師会の取り組みについては、2月15日に「賃上げ等に関する診療報酬改定とマイナ保険証の利用促進に関するオンラインセミナー」を厚労省と共催した他、役員の講演などで、今回改定において新設された「ベースアップ評価料」やその他の加算措置、賃上げ促進税制の活用を促してきたことを説明。一方、全国の医療機関からは「ベースアップ評価料」を算定するための手続きが分かりにくいといった声や、多くの質問が寄せられていることを報告し、厚労省から「ベースアップ評価料(I)」の6月1日からの算定に係る届出の期限を6月21日まで延期する措置が講じられたことに謝意を示すとともに、5月20日に長島公之常任理事が厚労省の「診療報酬オンラインセミナー」にて「賃金改善計画書」の作成方法を解説した他、6月6日に日本医師会が厚労省と共同で開催する都道府県医師会社会保険担当理事連絡協議会において、更に踏み込んだ解説を行う意向を示した。
 また、マイナ保険証の利用促進については、新設された「医療DX推進体制整備加算」の積極的な活用を求めるなど、医療DXの推進に取り組んでいくとした。
 その上で、松本会長は「日本医師会として、より多くの医療機関が『ベースアップ評価料』をしっかりと算定し、それを活用して職員の賃上げを実現できるよう、引き続き全国の医療機関に周知徹底していく」と述べるなど、改めて賃上げの促進に全面的に協力する姿勢を強調。その他の出席者も同様に、「賃上げ」と「医療DXの推進」に協力していくとした。
 これらの意見を踏まえて、武見厚労大臣からは、改めて6月からの令和6年度診療報酬改定施行に向けた協力依頼がなされるとともに、厚労省としても引き続き「賃上げ」の加速化や「医療DXの推進」に取り組んでいく意向が示された。その後、フォトセッションとしてマスコミに対してもアピールが行われ、意見交換は終了となった。

ベースアップ評価料の届出のお願い!!

240620a2.jpg 他産業で賃上げが続いている中、医療機関からの人材流出を防ぎ、人材を確保するためには、職員の賃上げが必要です。本来、その費用は全て医療機関で用意しなければならないところ、令和6年度診療報酬改定で賃上げの原資となる「ベースアップ評価料」が創設されましたので、できるだけ多くの医療機関において、届出・算定頂きますようお願いいたします。
 届出の際には、「賃金改善計画書」の作成が必要になります。その際、ご留意頂きたい点については、診療報酬オンラインセミナーの動画や、メンバーズルーム内に特設ページを設けましたので、ご参照願います。

※6月1日から算定するためには、6月3日までの届出が必要ですが、「外来・在宅ベースアップ評価料(I)」の届出を6月21日までに厚生局に提出した場合には、6月1日からの算定が可能となっています。
※間に合わなければ、翌月からの届出も可能となっておりますので、ご検討下さい。
◆「ベースアップ評価料」の令和8年度以降の診療報酬上の取り扱いは明らかになっていませんが、介護保険施設では10年余り前から介護職員処遇改善加算等による処遇改善が図られており、その後の改定においてもその加算等については維持されています。このことを踏まえますと、今後の診療報酬改定で今回設けられた「ベースアップ評価料」が単純に廃止されることは考えにくいと思われます。

メンバーズルーム内の特設ページ
https://www.med.or.jp/japanese/members/iryo/r06kaitei/jirei_kasanBU.html
オンラインセミナー
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00255.html

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