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令和6年(2024年)6月26日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース

令和4・5年度運動・健康スポーツ医学委員会答申の提出およびスポーツ庁への要望書提出について

 松本吉郎会長は6月19日、茂松茂人副会長、長島公之常任理事と共にスポーツ庁を訪問し、室伏広治スポーツ庁長官に日本医師会が取りまとめた「運動・健康スポーツ施策に関する要望書」及び「令和4・5年度運動・健康スポーツ医学委員会答申」を手交。その後には意見交換が行われた。

 今回、手交した要望書の中では、まず、(1)スポーツ庁の「運動・スポーツ習慣化促進事業」において取り組まれている、運動・スポーツ関連資源マップ(以下、運動関連マップ)作りについて、作成の意義は理解できるものの、今後この取り組みを継続的に実施していくためには、地域の中での更なる理解を得ることや、それを支える仕組みが必要である、(2)本年6月に診療報酬と併せて改定された「生活習慣病療養計画書」に、運動に関する指導が盛り込まれたことにより、運動による生活習慣病の予防の推進が期待できる―ことを指摘。

 その上で、スポーツ庁に対して、1.「運動・スポーツ習慣化促進事業」及び運動関連マップ事業の更なる拡充を図った上で、事業の積み重ねができるよう、継続した補助事業の実施、自治体各部局への情報提供、2.生活習慣病に対する運動療法を始め、引き続き、日本医師会に対して運動・スポーツに関する助言を行う―ことを要請。また、1.に関しては、スポーツ庁の補助事業を申請するにあたり、各自治体が取り組む運動関連マップ作成が、現在、選択的実施事項となっていることに触れ、取組必須事項に格上げをするとともに、申請のハードルを下げて採択数を増やすよう求めている。

 その後の意見交換の中では、長島常任理事が今回の要望書を取りまとめるに当たって基盤となった運動・健康スポーツ医学委員会の答申内容について、説明を行った。

 同常任理事は、本答申では、運動関連マップと、日本医師会内の令和2・3年度運動・健康スポーツ医学委員会が取りまとめた書籍「健康スポーツ医学実践ガイド」を活用することで、地域の多職種連携を促進し、健康な人だけでなく、高齢者や何らかの病気をもっている人にも、疾病予防や重症化予防、治療のために地域で運動やスポーツを習慣化することが極めて重要であることなどが指摘されていることを紹介。その上で、「さまざまな人に適したオーダーメイドのスポーツ習慣を提案するには、対象者のリスク層に合わせた適切な場所や指導者が明確となった『運動関連マップ』が必要だ」と強調した。

 これに対して、室伏スポーツ庁長官は、「運動・スポーツ習慣化促進事業」とライフパフォーマンス向上に向けた、目的を持った運動・スポーツの推進として、北海道東川町で実施した、運動器機能低下に対する地域における効果的な運動療法のあり方に関する研究成果を概説。「日本医師会にもぜひ、このような元気な自治体を増やす取り組みを応援して欲しい」と述べた。

 意見交換後、記者の囲み取材に応じた松本会長は、「スポーツにより国民全体の健康に対する意識を高め、健康増進、健康寿命の延伸につなげていきたい」と述べ、スポーツ庁と連携して運動関連マップ作成等の事業を推進していく姿勢を示した。また、自身の運動習慣については、「なるべく歩くようにはしているが、なかなかジムなどで運動する時間がないことが悩みだ」とした上で、「手軽にできて、生活習慣病やフレイルの予防に役立つような有効な運動などについても、スポーツ庁から国民に向けて発信して欲しい」と述べた。

 室伏スポーツ庁長官は、「スポーツを活用することで、病気の予防ばかりでなく、病気をもった方にも適切な運動の処方を行い、ライフパフォーマンスの向上につなぐことができる取り組みを引き続き進めていきたい」とした。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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