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令和8年(2026年)4月5日(日) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

日本医師会・四病院団体協議会有料職業紹介事業に関するワーキンググループ報告書まとまる

日本医師会定例記者会見 3月18日

日本医師会・四病院団体協議会有料職業紹介事業に関するワーキンググループ報告書まとまる

日本医師会・四病院団体協議会有料職業紹介事業に関するワーキンググループ報告書まとまる

 松本吉郎会長、今村英仁常任理事は、日本医師会と四病院団体協議会の有料職業紹介事業に関するワーキンググループが報告書「医療分野における人材確保と有料職業紹介事業等の適正化に向けた提言」を取りまとめたことを公表。本提言を踏まえ、国に対して必要な要望を行っていく姿勢を示した。
 松本会長は今回の報告書の取りまとめに至った背景について、(1)人材確保の一手段とはなっているものの、高額な紹介手数料が医療機関の経営を非常に圧迫しており、採用後の早期離職や手数料トラブルなども問題となっている、(2)民間の人材紹介サービスの利用傾向が求職者の中で強まっているが、こうした状況が拡大すれば、ハローワークやナースセンターといった無料の職業紹介に求職者が集まらなくなるとともに、高額な紹介手数料の負担が難しい中小規模の医療機関において人材確保が著しく困難になり、地域の医療提供体制全体を揺るがすリスクにもなり得る懸念があった―点を説明。その上で、「日本医師会と四病協として、本提言を踏まえ、国に対して必要な要望を行っていく」と強調した。
 続いて報告書の内容については今村常任理事が概説した。
 報告書は(1)有料職業紹介事業の利用状況と高額な手数料負担の現状、(2)人材紹介サービスを巡る課題、トラブルについて、(3)有料職業紹介事業対策~病院団体と日本医師会が協働して何ができるか~、(4)医療・介護提供体制を維持するために必要な対応・提言、(5)ハローワークの機能強化と利用促進に向けて、(6)有料職業紹介事業等の利用にあたって医療機関が留意すべき事項、(7)まとめ―で構成されているとした上で、「一番の問題は、高額な手数料と採用後の早期離職」だと強調するとともに、早期離職以外にも、求職者のスキルや能力が事前の情報と異なるケースや、健康状態に関する情報を伏せて紹介するケース等が報告されていることを紹介。「こうしたミスマッチは早期離職の一因となり、高額な手数料に見合わないサービス内容が、紹介手数料率の高さへの不満や満足度の低さにつながっている」と指摘した。
 また、四病協や日本医師会による看護職等を対象とした職業紹介事業の実施や、病院団体等で既に実施している事業の全国展開が可能か否かについても検討したことに触れ、課題として①全国版の職業紹介事業とした場合、求職者が都市部の医療機関へ集中し、地方の人材流出を加速させる恐れがある②就職先として病院が選ばれるとは限らず、病院団体が主体として運営する意義やメリットが必ずしも明確にならない③専門性と経験をもつエージェントの採用・育成に費用が発生し、無料・低額の事業モデルとの両立が難しい―ことが浮き彫りになったと述べた。
 更に、(4)必要な対応・提言のうち、①紹介手数料の上限規制の導入②返戻金制度の義務化及び返戻水準の標準化―についても説明。
 ①に関しては、「適切な対応を講じなければ、今後、更に手数料が上昇し、個々の医療機関のみならず、地域の医療提供体制の持続性をも脅かす恐れがある」と警鐘を鳴らすとともに、上限規制の導入に当たっては、上限を高く設定すると高い水準に収斂(しゅうれん)・固定化するリスクがある一方、過度に低く設定すれば紹介が受けられず、現場の体制維持が困難になる可能性があることに留意する必要があるとした。
 ②に関しては、早期離職は必ずしも紹介事業者のみの責任ではなく、医療機関側の受け入れ体制や職場環境などの問題もあるとした上で、「やはりマッチングの質に起因する事例があることも事実」と指摘。早期離職が生じた場合、代替人材を探す際にもコストが発生することから、「離職リスクを事業者も適切に分担する仕組みが必要である」として、返戻金制度を義務化することを提案。更に返戻水準に関しては、少なくとも初期数カ月においては高率を確保し、それ以降も合理性のある水準を定めるよう求めているとした。
 その他、ハローワークについてはインターネットサービスも提供されており、スマホ対応や検索機能の利便性向上などに向けたシステム改修も予定されているものの、こうした取り組みが医療機関や求職者に十分知られていないことを問題視。「従来の『ハローワークは活用しにくい』といった固定的な見方を改めて、医師会・病院団体でも周知に取り組んでいきたい」と意気込みを語った。
 最後に今村常任理事は、「民間の事業者においても職業安定法の理念に基づき、医療機関と求職者双方の視点に立った丁寧なマッチングを行うとともに、高い社会性・公共性を前提とした運営を行って欲しい」と要請。「今後も定期的に現場の状況や課題を把握するばかりでなく、有料職業紹介事業等の動向やハローワークの取り組みによる効果などについても継続してフォローアップしていきたい」と述べた。

 日本医師会・四病院団体協議会有料職業紹介事業に関するワーキンググループが取りまとめた報告書の全文は別掲の日本医師会ホームページをご覧下さい。
https://www.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20260318_1.pdf

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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