中学に入った春、グレコのレスポールカスタムを手に入れた。当時の私にとって、それは単なる楽器ではなかった。ハードロックへの入口であった。
リッチー・ブラックモア、ジミー・ペイジ。あの頃に憧れたギタリストたちは、みなギブソンのレスポールやフェンダーのストラトキャスターなどを抱えていた。本物のギブソンのレスポールなど、当時の私には手の届かない存在だった。それでもグレコのレスポールを抱えて弦を鳴らす時間は、少年だった私にとって特別なものだった。
高校ではバンドを組み、文化祭のステージに立った。緊張で手が震えていたのに、弾き終わった後の達成感は今でも忘れられない。あの経験が、ギターを続ける原動力になったように思う。
それから幾十年。気付けばエクスプローラー、フライングV、ストラトキャスター、レスポールスタンダード、カスタムと、いつの間にか楽器が増えていた。慌ただしい毎日の中で、ギターを弾く時間だけは昔の自分に戻れる気がして、大切にしてきた。
そして、ついに憧れのギブソンのレスポールスタンダードも手に入れた。
若い頃に「いつかは」と思い続けたものを、何十年も経ってから手にする。それは単なる買い物ではなく、そろそろ還暦を迎えるが、趣味の一つとして大切なものであり、またあの頃の自分にようやく「やれたぞ」と言える瞬間だった。
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