日本医師会定例記者会見 9月9日


松本吉郎会長は「令和8年熊本地震」におけるJMAT(日本医師会災害医療チーム)の活動のうち、国の船舶医療として2021年に成立した「災害時等における船舶を利用した医療提供体制」の整備の推進に関する法律(以下、船舶医療活用法)に基づく初の事例となった「はくおうⅡ」における活動について報告した。
松本会長はまず、「はくおうⅡ」での医療提供が始まった経緯について、(1)船舶医療活用法の成立を受けて、昨年3月に閣議決定された政府の推進計画には、日本医師会から硬直的な運用とならないよう、「脱出船、救護船に限らない、船舶の多目的な利用」を提案してきた結果、「5.多目的利用」という文言が明記されていた、(2)「はくおうⅡ」の活用目的は元々、避難者への入浴・宿泊支援だったものの、八代市を始めとした地域医療に被災の影響が生じている状況を踏まえ、熊本県医師会や八代市医師会の働き掛けによって、8月1日に木村敬熊本県知事から防災担当の赤間二郎内閣府特命担当大臣(当時)に対して「船舶を活用した医療の実施」を要請した―ことなどを説明。
派遣したチーム数は延べ26隊、隊員数は延べ97名であるとし、その活動については、「住民の健康チェックを行う、船内の患者さんを陸上の医療機関につなぐなどであり、患者さんの数は必ずしも多くはなかったが、今回のJMATによる迅速かつ手厚い対応により、船舶医療でのJMATの役割の大きさを実証することができた」とした。
併せて、①JMATに参加した医師のレポートでも「『はくおうⅡ』の活動は、震災フェーズが急性期を過ぎた状況下における支援として有益だった」と報告されている②「はくおうⅡ」で診察を受けた患者から御礼状が届いている―ことなども紹介し、その活動の意義を強調した。
その上で松本会長は、「『はくおうⅡ』は国の事業であるとはいえ、水足秀一郎熊本県医師会長にはJMATだけでなく、事務局職員の継続的派遣に、また、西文明八代市医師会長には地元の医療機関との調整や事務局職員の派遣等にそれぞれ尽力いただいた」として、改めて両医師会に対して感謝の意を表明した。
その他、今回の熊本地震における対応を振り返り、「多数の患者が発生する一方、被災地の医療機能が大きなダメージを受けて、対応困難になるという状況には幸いにもならなかった」とした上で、「どのような災害にも様々な特色があり、対応策も異なる。大切なことは被災地の住民や患者さんの生命や健康を守ることにあり、支援ニーズに柔軟に応じることができる体制づくりを今後も進めていきたい」と意気込みを語った。
なお、「はくおうⅡ」での入浴・宿泊支援は9月13日に終了となり、藤原慶正常任理事が再び現地入りし、運用終了を見届けた。
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