大学紹介

岐阜大学

【教育】プロとして生涯成長する医師の育成

岐阜大学 医学教育開発研究センター長 教授 鈴木 康之

医学部を卒業するだけで一人前の医師になれるわけではありません。ましてや医学部入学がゴールではありません。医師は社会から負託されて医療をリードしていく責務があります。医療は年々めざましい発展を遂げていますが、多くの課題にも直面しています。少子・超高齢社会、グローバル化、財政問題などは、将来の医療に大きな影響を及ぼすでしょう。そうしたなかで日々研鑽し、生涯にわたって成長していける医師の基礎作りをするのが医学部の役割です。

岐阜大学では自ら積極的に学ぶ生涯学習の姿勢を身につけることを重視しています。医学部6年間に得る知識は大切な財産ですが、卒業後も日々学ばなければなりません。医療現場では常に新たな問題・課題に直面し、解決を迫られます。岐阜大学では学生時代から自ら積極的に課題を発見し、自分で解決する力を身につける教育を行っています(テュートリアル教育)。入学早期から患者さん・模擬患者さん・地域の方々のご協力のもと、医師としての基本的姿勢を学んでいきます(プロフェッショナリズム教育)。研究を通じて医療に貢献することも重要な使命であり、長期間の研究体験、MD-PhDコース(大学院の早期履修)を提供しています。4年後期から始まる臨床実習では、医療チームの一員として患者さんを受け持ち、指導医とともに診断・治療法を学んでいきます(クリニカル・クラークシップ)。6年では総仕上げとして希望する地域病院・診療分野で選択臨床実習を行います。英語力を磨いて海外実習に挑戦する学生も増えています。岐阜大学は多様な入試を実施しており(一般推薦15名、地域枠推薦25名、前期32名、後期35名)、岐阜県内はもとより、全国から多士済々の学生が集い、互いに刺激しあいながら学んでいます。

【研究】先端医学に対応した幅広い研究体制

岐阜大学 大学院医学系研究科 副研究科長 原 明

井上先生岐阜大学医学部では、「先進的研究と地域医療の推進に基づいた人材育成」を理念として幅広い研究体制の整備が行われています。

大学院医学系研究科では、医科学専攻と再生医科学専攻に加え、生命科学総合研究支援センターの設置により活発な研究がなされ、幹細胞医学への取り組みとともに、iPS細胞を利用した再生医療への展開やがん幹細胞の解明によるがん治療法の確立などが期待されています。医学系研究科、工学研究科に岐阜市立岐阜薬科大学が連合する大学院、連合創薬医療情報研究科では、特に「創薬」をキーワードとして医学・薬学・工学の横断的な研究を展開しています。優れた研究業績・知識・情報の共有を基盤とする教育体系を構築し、国際的にも水準の高い生体分子化学・生体制御・生体応答・生物学的創薬・薬効情報・患者情報などを基盤とする創薬科学及び医療情報学を展開し、特色ある研究を行っています。

また、将来の研究者育成への試みとして学生研究員制度が導入されています。この制度は学部学生が早期に研究に参画することで研究の面白さを体験し、生命科学・医学の研究者を志す学生を発掘することを目標としています。学生研究員に採用されると、課外時間や休暇期間を利用して行った研究活動に対して時間給が支払われます。さらに平成26年度には、学生研究員が主体となって実施する研究に対しての研究助成金が創設されました。研究意欲の高い学生は、研究計画を練り、申請書を提出して審査を受けた後、研究資金を獲得し、登録した基礎医学教室の教員の指導のもと、その研究資金で自ら研究を進めることが出来ます。岐阜大学は教育機関として人材育成を推進するとともに、国内外の医療機関・教育機関・研究機関との交流や相互理解を深め、倫理観のある先端医療の研究機関の一翼を担っています。

【学生生活】実践的な知識と経験を和やかな空気のなかで

岐阜大学 医学部 医学科 5年 村橋 賢祐
同 5年 立川 優果

村橋:岐阜大学のカリキュラムのなかで珍しいのは、4年次にある災害医学の演習です。これは大規模災害が起こった時に病院が救急医療の拠点になることを想定した演習で、実際に大学病院を使って、病院の看護師さんも参加して行います。

立川:何の災害なのかは当日まで秘密にされるので、学生はトリアージから患者さんの搬入まで、全ての事態に対応できるマニュアル作りから始めます。私たちの時は市内で爆発事故が起きたというケースで、患者役の学生は特殊メイクをしてバイタルなどの情報とシナリオを覚え、医師役の学生は熱傷などの患者に対してその場で臨機応変に対応しました。実際の災害現場を模したものなので臨場感がありますし、卒業後にこれだけの規模で演習する機会はあまりないと思うので、良い機会でした。

村橋:岐阜大学はテュートリアル教育が充実していると思います。2~4年まで週3回PBL(Problem Based Learning)の実習があるんですが、8人のチームに1人ずつテューターがついて、患者さんの主訴や検査結果にもとづいてどんな疾患なのかを考え、議論します。

立川:PBLという学習形態は、各自が課題について事前にしっかり調べる必要があり、チーム一人ひとりが発言しないと意味のないものですが、しっかり勉強したうえで参加すれば、暗記型ではなく実践的に知識を修得できるのでとても面白いです。

村橋:僕は山岳部に所属していますが、うちは山岳競技をやる部ではなくて、近場の低い山に登って、帰りに温泉へ寄って来るような活動が多いです。岐阜県は山と温泉には事欠かないですし、西医体で上位を目指すような部活もいいですが、うちのような気楽な部活で岐阜をエンジョイするのもオススメですよ。

 

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