大学紹介
聖マリアンナ医科大学
【教育】生涯成長していく医師を目指して
聖マリアンナ医科大学 カリキュラム委員長 臨床検査医学講座 教授 信岡 祐彦
本学では2016年度からのカリキュラム改訂に向けて、新たなディプロマ・ポリシーを作成しました。ディプロマ・ポリシーとは「卒業認定・学位授与に関する方針」と訳されており、学生が卒業時点でどのような能力を身につけていればよいか、言い換えれば本学を卒業した学生はどのような能力が身についているかを示したものです。
新たに作成したディプロマ・ポリシーは、①正しく判断できる、②正しく行動できる、③生涯にわたって省察し実践する基礎ができる、の3つを柱としています。中でも③に示した「生涯にわたって省察し実践する」という項目をとくに重要視しています。省察とは、自分自身をかえりみて考えることを言います。医学部を卒業すれば医学教育は終了というわけではありません。その先も教育を受けつつ、かつ経験の中から学びながら、自らを成長させていかなければなりません。自分に起きた出来事を振り返りながら医師としても人間としても成長していく、常に成長を意識することの重要性を強調したいと考えています。そして本学を卒業した学生はそうであるべきとの思いを、「生涯にわたって省察し実践する基礎ができる」という項目に込めています。もちろんそのためには、医師の責務と態度、基礎的な知識とその応用力、さらには問題解決能力、基本的診療能力を身につけておくことが必須の要件です。これらの修得なくしては、有効な省察はありません。我々はこれを、正しく判断できる、正しく行動できるという2つのポリシーとして表しました。
本学のカリキュラムはこの3つのディプロマ・ポリシーを基軸として組み立てられています。今後も、自らの行動を振り返り修正し改善していくことができる医師、生涯にわたって成長していく医師の育成を目指した教育方針を堅持し、カリキュラムを展開していきます。
【研究】自由な雰囲気で独創的な研究をサポート
聖マリアンナ医科大学 難病治療研究センター 病因病態解析部門 部門長 山野 嘉久
当大学は、川崎市を中心とする第3次医療圏の特定機能病院として高度医療を実践する傍ら、1次から3次救急を担う救急病院としての機能を有しており、地域に密着した大学病院として多くの患者さんの診療にあたっております。それと同時に、がんや再生医療、難病治療、脳科学、医療機器開発、画像診断技術などの分野の研究により力を入れ、病気の診断・治療に直結した“患者さんにより良い治療をより早く届ける研究”をモットーに精力的に取り組んでいます。
新薬や医療技術開発には、基礎研究で得られた結果を、さらに臨床研究を経て日常診療に応用する“トランスレーショナルリサーチ”が必須ですが、当大学は患者さんの臨床情報をより詳細に収集・データベース化し、また患者検体バンクを充実させることにより、解析した情報から治療のターゲットとなる新しい分子やバイオマーカーなどを見つけ出し、創薬・診断技術開発につなげる“リバーストランスレーショナルリサーチ”を推進し、成果を挙げています。これは研究室と大学病院の連携が非常にスムーズである当大学の特色であり、強みでもあります。
また希少難病疾患に対する世界初の治療薬開発や、世界最先端のナノテクノロジー技術を応用した聖マリアンナブランドの化粧品開発など、非常にユニークな研究に対して強力にバックアップしてくれるような気風があります。
さらにチームワークの良さは特筆すべき点であり、各診療科間の連携はもちろん、看護部・薬剤部・検査部・リハビリ部・事務部など、大学全体で迅速かつ円滑にプロジェクトを遂行しようとする体制が整っており、熱意にあふれています。大学病院や研究室はとかく古い体質だと思われがちですが、当大学は独創的かつ自由な研究をやってみたいと考えている若手研究者や、臨床に直結した研究を目指す医師にとっては、とてもやりがいがある魅力的な大学だと思います。
【学生生活】将来を見据え、研究に励む
聖マリアンナ医科大学 医学部 5年 久保田 隆文
聖マリアンナ医科大学では学生5~6人につき1人の先生が担任につくのですが、研究に興味があると相談したところ、生理学研究室を紹介してもらい、出入りするようになりました。先生から助言をもらいながら実験を進めた結果、3年次に日本生理学会でポスター発表をして「Junior Investigator's Award」を受賞することができました。さらに4年次には、神経科学の分野で世界最大の学会である北米神経科学学会でも発表をしました。その時に初めて海外の学会を経験したのですが、開催地のサンディエゴ全体がお祭りのようで、居酒屋へ行ったら世界各国の研究者がビールを片手に研究の話をしているんです。そういうエキサイティングな雰囲気は、あまり日本の学会では見られないなと思いました。
将来的にはUSMLEを取ってアメリカで医師としての経験を積みたいと思っているのですが、アメリカには世界中から医師が集まるので、そのなかで一定の成果を出すためには自分自身に強みがないとだめだと考えています。僕はいま研究に力を入れているので、アメリカの大学院に進んでしっかり研究をして、それを強みに臨床へ進んでいけたらと思っています。
聖マリは、名前のイメージからか授業料が高いという印象をもたれることが多いのですが、私立の医学部のなかで中位なんです。学生も親切な人が多くて、例えばちょっと勉強が苦手な人がいてもみんなで支えるような、マリアンナ・スピリットがあるんじゃないかと思います。さらに、東京に近いためいろんなイベントなどに顔を出しやすいですし、大学の周りは落ち着いた住宅街なので、地方からの学生にも住みよい環境なのではないかと思います。
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- No.1 2012.04
- 医師への軌跡:越智 小枝先生
- Information:January, 2015
- 特集:医師国家試験を再考せよ。
- 特集:医師養成における国家試験の位置付け
- 特集:医師国家試験ができるまで
- 特集:医師国家試験のあゆみ
- 特集:これからの医師国家試験
- 特集:医学生が考える 医学教育、このままでいいの?
- 同世代のリアリティー:法律の世界 編
- チーム医療のパートナー:訪問看護師
- チーム医療のパートナー:介護支援専門員
- 地域医療ルポ:岐阜県高山市丹生川町|丹生川診療所 土川 権三郎先生
- 10年目のカルテ:精神神経科 兼子 義彦医師
- 10年目のカルテ:精神神経科 柳田 誠医師
- 10年目のカルテ:精神神経科 大江 美佐里医師
- 第29回 日本医学会総会 2015 関西
- 医師の働き方を考える:周囲の理解と支援があれば、医師・母・妻を両立できる
- 医学教育の展望:人生経験を医療・医学に活かせる仕組みを作る
- グローバルに活躍する若手医師たち:日本医師会の若手医師支援
- 大学紹介:信州大学
- 大学紹介:聖マリアンナ医科大学
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- 日本医科学生総合体育大会:東医体
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- 医学生の交流ひろば:1
- 医学生の交流ひろば:2
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- FACE to FACE:古川 祐太朗×古賀 俊介