交流ひろば

“LINK-J Sandbox” Open Conference

2017年、ライフサイエンス分野に関心を持つ若者が集まって立ち上がった議論の場である"LINK-J Sandbox"が、1年間の成果報告としてOpen Conferenceを開きました。

近年、AMR(薬剤耐性、Antimicrobial Resistance)について、医療者だけでなく一般市民に向けても周知されるようになってきています。風邪に抗菌薬を処方しても、風邪の原因の多くはウイルスによるものなので、抗菌薬では効果がないうえに、抗菌薬を不用意に処方することは、AMRの拡大の一因となりえます。しかし、耐性菌が増加する機序は複雑なので、正しく理解できない市民も多く、患者の不安をやわらげるため、抗菌薬を処方している医師も少なくないと言われています。AMRについての正しい知識を広く市民に伝えるにはどうすればいいのか、意見を出し合いました。議論の詳細はWEBページに掲載されています。
WEBhttps://www.link-j.org/sandbox/

【プログラム】

開催日時:2018年3月22日(土)

場所:日本橋ライフサイエンスビル

 

14:00~アイスブレイク
14:10~ 第1部 活動報告・モデル提示【テーマ:薬剤耐性(AMR)】
・イントロダクション
・質疑応答
・グループごとのプレゼンテーション
ーAttention班
ーRelevance班
ーConfidence班
・グループディスカッション
16:00~第2部 小グループディスカッション・これから取り組んでみたいテーマに
ついて話し合ってみよう
17:00~
閉会

 

【活動報告】

Attention班

AMRの認知度をあげるため、様々な団体が一般市民向けにAMRについてのポスター等を作成しています。実際にそれらを見てみると、情報量が多すぎて、AMRに対する理解や取るべき行動についての知識を広められていないように思います。ターゲット・目的を明確にしつつ、手段にとらわれず、様々な媒体を用いながら周知していく必要があるように感じました。

僕たちは、今まで様々なところで作成されたポスターを実際に添削してみて、どういうところが問題か、どうしたらより市民に伝わりやすいポスターが作成できるのかを考えるのが、次の行動として適切ではないかと考えました。

Relevance班

AMRが発生する機序はとても複雑で難解なので、一般市民に理解してもらおうというのは、とても難しいと感じました。また、専門的な内容を皆が理解できるように噛み砕いて説明し、理解を得ることで、抗菌薬の処方を減らすことにつながるのかどうかということについても疑問に思いました。そのため「抗菌薬を乱用しないほうが良い」という印象を残すことに内容をしぼり、わかりやすく伝えるようにすれば、より効果的ではないかと感じました。対象となる年齢層別に考え、例えば、小児やその親世代には絵本で、若年や青年層にはSNSで…といったように、媒体を変えて認知を広めていくと良いと思います。

Confidence班

AMRについてよく理解していない患者さんの多くは、風邪で病院に来ても薬が処方されないと、不安に感じたり医師に対して不信感を持ったりするのではないかと思います。そこで、診察で来た患者さんに、医師がAMR問題について伝えることはできないかと考えました。例えば、AMRのパンフレットを渡し、風邪に抗菌薬が効かないことや、抗菌薬を乱用することで生じるリスクについて説明します。丁寧に説明することで、患者さんと信頼関係を築くことにもつながるでしょう。また、AMRについてわかりやすく説明しているサイトをつくり、そのQRコードを患者さんに配布することで、認知度をあげるのも良いと思います。

 

No.25