平成27年(2015年)12月20日(日) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース
有床診療所委員会答申「地域包括ケアシステムにおける有床診療所の役割」まとまる
鈴木邦彦常任理事
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鈴木邦彦常任理事は、有床診療所委員会が会長諮問「地域包括ケアシステムにおける有床診療所の役割」について、8回の委員会及び小委員会での検討結果を取りまとめ、11月25日に小林博委員長(岐阜県医師会長)から横倉義武会長に提出したことを報告し、その内容を説明した。
本答申は、(1)在宅医療への対応、(2)介護への対応、(3)地域包括ケアシステムにおける専門医療を提供する有床診療所の役割、(4)病床機能報告と地域医療構想、(5)有床診療所が役割を果たすための今後の課題─から構成されている。
答申の本題である「地域包括ケアシステムにおける役割」については、病院からの早期退院患者の在宅・介護施設への受け渡し機能や、在宅医療の拠点として緊急時に対応していくことが今後も重要であることを示すとともに、看取りも含めて有床診療所の病床を活用していくべきとしている。
(2)「介護への対応」では、地域包括ケアシステムの推進にはさまざまな施設や事業間での多職種連携が必要であるが、有床診療所内で地域ケア会議を行うなど、開かれた有床診療所を目指していくべきとしている他、短期入所療養介護も積極的に行っていくべきとしている。
(3)では、診療報酬について、7対1入院基本料の「自宅等退院患者割合」に有床診療所が含まれていないことを指摘し、有床診療所を自宅等退院患者割合に含めるよう要望している。また、「眼科有床診療所」について、入院基本料1~3の算定要件となっている施設基準をクリアすることが困難なため、無床化が進んでいる状況を説明するとともに、入院で行うことが望ましい高齢者の白内障手術を例示し、入院医療が提供できる眼科有床診療所の評価を要望するとともに、算定要件に「球後麻酔年間120件」を追加するよう求めている。
会見の冒頭、同常任理事は、有床診療所の現状として、平成26年6月の医療介護総合確保推進法による医療法改正で、医療法第30条の7に有床診療所の役割が位置づけられるとともに、平成26年度診療報酬改定では、地域包括ケアを担う有床診療所を評価し、入院基本料の1~3が新設されるなど、有床診療所を再評価する動きにはなっているものの、平成26年度には有床診療所580施設が閉院・無床化等により廃止されているとして、その対策を強く要望した。
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