平成28年(2016年)3月31日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース
平成26・27年度学校保健委員会「児童生徒等の健康支援の仕組みの更なる検討」答申について
道永麻里常任理事
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道永麻里常任理事は、3月30日の定例記者会見で、学校保健委員会の答申について説明した。本答申は、会長諮問「児童生徒等の健康支援の仕組みの更なる検討」に対する重点課題を「実効性のある仕組みづくり」「学校医の資質向上」と位置づけ検討を行った結果、取りまとめたものとなっている。その内容は、(1)はじめに、(2)最近の学校を取り巻く環境の変化、(3)健康支援の仕組みの更なる検討、(4)仕組み構築に向けて関係者に期待すること、(5)学校保健の課題解決に向けて学校医に求められること、(6)まとめ―からなっている。
(2)では、環境の変化として、「保険調査票が毎年提出となること」「教育長の権限が強まること」「学校保健行政が文科省とスポーツ庁に分れること」などを挙げ、そのような状況においても、学校保健の現場が円滑に進むような連携の仕組みの構築が必要としている。
(3)では、学校保健は「文部科学省、都道府県教育委員会、市区の教育委員会」と「日本医師会、都道府県医師会、郡市区医師会」という2つの流れがあるとし、その連携のための事務局機能を果たす「支援組織」が必要だと指摘。
この「支援組織」は新たに作るものではなく、各都道府県医師会は教育委員会と連携し、各地区の実情に応じて、都道府県の学校保健会などを「支援組織」としてもかまわないとしている。
また、都道府県から郡市区の連携は、県レベルと郡市区レベルで、「支援組織」の枠組みが異なる場合に、その関係性を担保するような仕組み構築が必要だとして、宮城県、茨城県、東京都、千葉市の活動を仕組み構築の好事例として紹介している。
(4)と(5)では、仕組みの構築に向けた関係各団体への要望を掲載。文科省に対しては、「学校保健総合支援事業」における県レベルの「協議会」を本答申で提言する「支援組織」における「運営協議会」と位置づけるよう提言。日医に対しては、仕組み構築の周知・推進と、学校医の資質向上のために何らかの認定学校医制度の創設、ないしは地域の実情に応じた認定医制度モデルの提案、またその際のeラーニングの活用などを求めている。
道永常任理事は会見の中で、「本答申のまとめとして、学校医には、『コミュニケーション力』『情報収集力』『実行力』が求められている。それを実践するには、日常的に学校を訪問すること、学校保健委員会に参画すること、学校保健活動に対し改善点の助言をすることが大事であり、これらの実践を今後、学校医にお願いしていきたい」と述べた。
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