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平成28年(2016年)4月7日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

2014年・2015年病院における低炭素社会実行計画フォローアップ報告について

 石川広己常任理事は、4月6日の定例記者会見で、2006年度を基準年とする新たな「病院における低炭素社会実行計画」について、COP21のパリ協定におけるわが国の約束草案(2030年度の温室効果ガス排出削減目標)を踏まえた数値目標の設定や、2013年度及び2014年度における目標達成度、温暖化対策の取組み状況を中心に、アンケート実態調査によるフォローアップ調査を実施した結果がまとまったことを報告した。

 病院における低炭素社会実行計画の2030年度削減目標(25%削減)に対し、2014年度のCO2排出原単位の実績は対前年比3.8%で、各病院の積極的な取り組みにより、2006年度から8年間年率平均して目標を大きく上回って減少しているとし、その主な要因としては、1.自主的節電対策の実施等によるエネルギー量の削減、特に重油・灯油使用量の減少2.長期的な組織の有無に関わらない省エネ活動の取組み割合の増加3.ほとんどの規模階層でのエネルギー消費原単位の減少4.電力、重油・灯油、ガスのエネルギー消費原単位の減少5.空調、照明を中心とした様々な省エネ活動の推進といった主要な取り組みとともに、6.患者数の微減7.夏期気象条件の変化等があったことが挙げられるとしている。

 特に2.については、「組織を設置して」あるいは「組織を設置しないが」省エネルギーに「取り組んでいる」病院の割合も82.6%と2006年度より大きく増加していると指摘。その一方で、こうした病院側の努力にもかかわらず、電力・都市ガス料金の高騰や再生可能エネルギーの賦課金の増大等により、全病院の年間光熱費はこの5年間で1,088億円も増加したという資産のとおり大きな影響を受け、病院経営は大きく圧迫されているとしている。

 最後に、石川常任理事は、「今回の調査からも、病院を取り巻くエネルギー環境は厳しいことは明らかだ。今後は国に対して、補助・支援・融資制度等の拡充、電気料金の高騰や再生可能エネルギー賦課金の増大に対する医療面での対応等を中心に、支援策等の実施を求めていきたい」との考えを示した。

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