平成28年(2016年)4月14日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース
平成26・27年度医療関係者検討委員会報告書「地域包括ケアシステムにおける多職種連携の推進について―多職種の役割をいかに引き出すか―」について
石川広己常任理事
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石川常任理事は、4月13日の定例記者会見で、医療関係者検討委員会(委員長:月岡鬨夫群馬県医師会長)が、会長諮問「地域包括ケアシステムにおける多職種連携の推進について―多職種の役割をいかに引き出すか―」に対する報告書を取りまとめたとして、その概要を説明した。
内容は、(1)はじめに、(2)地域包括ケアシステムにおける多職種連携の推進について、(3)2025年に向けた看護職員の確保について、(4)おわりに―で構成されている。
(2)では、医療と介護の連携が進んでいる地域の事例を挙げ、各郡市区医師会が、市町村から委託を受けて在宅医療・介護連携推進事業を展開していくことが重要であるとしている。また、医師の在宅医療に対する消極性が多職種連携を妨げていると指摘。今後の地域包括ケアシステム構築のためには、医師の在宅医療・多職種連携に関する意識改革が必要だとしている。更に、各地域で開催されている多職種が集まる研修会などへの医師の参加率が低い現状に触れ、こうした研修会に参加し、医師同士あるいは多職種との積極的な関係構築を進めていくことで、訪問看護ステーションの活用やICTを活用した多職種との連携もスムーズになり、かかりつけ医としての役割をより発揮できるとしている。
(3)では、「法律上、看護師と准看護師は指示のあり方に区別はあるものの、業務範囲に差はない」とした上で、「准看護師は、医師又は看護師の指示の下で業務を行っているが、看護の基礎的知識や技能で行うことができる行為については、医師や看護師の監督または包括的指示の下に、准看護師自身の判断で行うことができる仕組みを活用することは、人材活用の有益な方法であるとともに、看護師が看護師でなければできない業務に専念できる方法である」との考えを示し、准看護師の業務について、一歩踏み込んだ問題提起をしている。
更に、「2025年に向けて、今まで以上の看護人材が量的にも質的にも求められており、今後、病床機能の分化が進み、それぞれの機能に応じた看護の役割が明確になっていく中で、看護師・准看護師の業務分担を明確化し、准看護師が医師や看護師の監督下あるいは包括的指示の下に自分の判断で実施できる行為を明らかにすることで、地域包括ケアシステムにおいて、准看護師をより活用することができるのではないか」と指摘。これは、現在の准看護師の業務範囲を限定・縮小しようとするものではなく、新たな時代に向け、准看護師の位置づけを高め、活躍の場を広げようとするものであり、今後の議論が期待されると結んでいる。
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