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平成28年(2016年)7月14日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

医事法関係検討委員会答申「医療基本法(仮称)にもとづく医事法制の整備」について

 今村定臣常任理事は、7月13日の定例記者会見で、医事法関係検討委員会が会長諮問「医療基本法(仮称)にもとづく医事法制の整備」を受け、鋭意検討を重ねた結果、答申を取りまとめ、6月21日、柵木充明委員長(愛知県医師会長)から横倉義武会長に提出したことを報告し、その概要を説明した。

 内容は、(1)はじめに~検討の経緯~、(2)今期委員会における検討の進め方、(3)医療基本法(仮称)条文案と現行医事法制の比較による具体的検討、(4)医療基本法(仮称)条文案を改定することについての提案、(5)おわりに―で構成され、巻末には「医療基本法(仮称)条文案における課題と現行個別法の比較」が付表として添付されている。

 (1)では、同委員会が平成26年3月に、医療基本法(仮称)の条文案を提示した前期答申書を、現時点における日医の見解として扱うことが理事会決定されていることを説明。その後、同年12月から、今期の委員会で、医療基本法(仮称)が制定された後の医事法制全体のあり方について、どのような見直しが必要かという会長諮問に基づいて検討することになったが、途中約半年間以上を臨時諮問「医療事故調査制度のもとにおける医師法第21条の規定の見直しについて」の検討に費やしたため、本来のテーマである「医療基本法(仮称)の問題」については、十分な検討時間を確保できない中で本答申がまとめられたとしている。

 (2)(3)では、先の答申で示された条文案について、各地で開催したシンポジウム等で出された主な論点9つ[1.医療の不確実性、2.計画体系の明示、3.「介護」を医療基本法の対象に含めるか、4.尊厳死、延命治療、生殖補助医療、5.医師、医療提供者の権利に関する規定のしかた、6.応招義務、7.医療事故への対応、異状死体届け出義務、8.(患者の権利の具体的内容として)苦情調査申立権、9.(患者の権利の具体的内容として)医療政策決定過程への参加]に対する現在の個別法令の対応状況や改善すべき点を中心に議論し、それぞれその内容を記載している。

 更に、(4)では、前期答申で示された「医療基本法(仮称)条文案」について、1.現在の医療基本法条文案では、生殖補助医療や遺伝子操作技術を用いた医療についての倫理的配慮が十分とは言えないことから、条文案の第2条の「医療」の定義を述べた部分に、「生殖補助技術や遺伝子を扱う医術を含む」という一文を加える、2.従来からたびたび指摘のあった「医療の不確実性」について条文中に盛り込むことについては、条文案に「前文」を新たに設け、その中で医療がもつ特性として「医療の不確実性」などについて言及する―という2点の加筆意見が提案されている。

 同常任理事は、医療基本法をめぐる委員会での検討は、ほぼ一巡したとの考えを示した上で、「今後は、これまでの検討の成果と共に、今回の答申も、国会議員による具体的な法案作成の場などに示していきたい」と述べた。

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